手軽な口臭対策として人気の「重曹うがい」。お口の嫌な臭いだけでなく、虫歯などの口腔トラブルも予防できると注目を集めています。
しかし、重曹がいくら安全性の高いものとはいえ、お口に入れて「うがい」をするわけですから、その効果や正しいやり方、カラダに及ぼす悪影響など、色々と気になる点があるのも事実です。
そこで今回は、重曹うがいの正しいやり方や効果・デメリットについてまとめました。
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重曹うがいは口臭予防に効果的
重曹うがいには、口腔内の汚れや臭いを取り除くための「直接的な口臭予防」と、お口の中の健康を維持するための「間接的な口臭予防」の二つの効果があります。
中和による口臭予防
唾液分泌の低下などで口内環境が「酸性」の状態に傾くと、細菌が繁殖しやすくなって口臭の原因になります。重曹うがいに使う重曹水は「弱アルカリ性」なので、お口の中に残る酸化物によるニオイ成分を「中和」してお口の嫌な臭いを解消してくれます。
舌の汚れ(舌苔)の予防
舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌の汚れも口臭原因のひとつです。この舌苔は、食べかすや細菌などのタンパク質汚れが原因となって発生しますが、弱アルカリ性の重曹水は「タンパク質を分解する」働きがあるので、うがいをすることで舌苔の過剰発生を防ぎ口臭対策に役立ちます。
舌苔が増えすぎる原因や口臭との関係性についての詳細は、「舌が白い人は要注意!「舌苔」ができる原因と口臭トラブル」をご覧ください。
虫歯の予防
虫歯になると、食べかすなどの発酵臭や膿などの臭いが混ざって口臭がひどくなります。虫歯は食事の際に虫歯菌が酸を出して歯を溶かすことが原因ですので、重曹うがいで酸を中和することで、虫歯になりやすい口内環境を短時間に抑えることができます。
虫歯が原因となる口臭についての詳細は、「虫歯による口臭!お口の臭いを抑える改善策」をご覧ください。
重曹うがいの効果的なやり方
重曹うがいの作り方
まず、重曹うがいを行う前に「重曹水」を作りましょう。重曹はスーパーやドラッグストアなどで簡単に購入できます。うがいとはいえ、お口に入れるものですので、料理で使える「食用の重曹」を選んで下さい。
次に、水を入れた【500mlのペットボトル】に【小さじ1杯の重曹(約3g)】を入れます。そして、フタをしてよく振って混ぜあわせれば、重曹水の出来上がりです。
重曹うがいをする時にその都度コップに重曹水を作ってうがいしてもかまいませんが、ペットボトルで「作り置き」しておけば、朝や食後も手間なくうがいができるので、習慣化しやすくなります。重曹水は冷蔵庫で「1週間」くらい保存可能と言われています。
正しい重曹うがいの方法
重曹うがいのやり方としては、お口に重曹水を含んで「くちゅくちゅ」とお口全体に重曹の成分が行き渡るように行なって下さい。うがいの目安としては【30秒】くらい続けて下さい。喉をガラガラとするような方法では、効果が薄れてしまうので注意しましょう。
重曹うがいの頻度
重曹うがいの頻度としては、【1日3回】を目安に行いましょう。重曹うがいは、頻度や重曹水の濃度が高ければ高いほど口臭予防の効果が上がるというものではありませんので注意して下さい。
重曹うがいのタイミング
食後すぐに歯磨きをする人の場合は、中和作用をもつ唾液が一緒に洗い流されて、お口の中の酸性状態が続く恐れがあります。そのため、重曹うがいを「歯磨き後」に行うことで、口腔内が中和されて虫歯予防の効果が高まります。
また、朝の起床時に口臭や口の中の粘つきが気なる人は、「就寝前」に重曹うがいをすることで、寝起きのお口がスッキリするだけでなく虫歯予防にも繋がります。
うがい後に「ガムを噛む」こともオススメです。唾液が豊富に分泌されるので、うがい後の口の乾燥による口臭を予防できることに加え、重曹によって中和された口内環境下で「歯の再石灰化」が効率的に行われて、虫歯予防や初期虫歯の回復に役立ちます。
重曹うがいのデメリット
重曹うがいが口臭予防に効果があるとはいえ、間違ったやり方を続けていると、口臭などのお口のトラブルを悪化させる「デメリット」も潜んでいます。
歯茎などの粘膜への刺激
重曹水の濃度やうがいの頻度が高すぎるような「過度な方法」で重曹うがいを行なってしまうと、歯茎などの粘膜を傷つける危険性があります。より効果を高めたいと思う気持ちはわかりますが、適量を守りながら「やりすぎない」ことが大切です。
研磨作用
粉末を歯磨き粉がわりにしたり、重曹が溶けきらない状態でうがいをした後に歯磨きを行なったりすると、重曹の強い「研磨作用」によって歯のエナメル質が削れてしまい、黄ばみや知覚過敏の原因になります。また、舌苔を除去する時も同様に、舌の粘膜を傷つける恐れがあります。
塩分の摂取
重曹は塩分が多めですので、高血圧などで塩分摂取の制限がある方は、飲み込まないように注意して下さい。心配な方は、重曹うがいを行う頻度を「1週間に2~3回」程度に留めたほうがいいでしょう。また、健康上問題がない方でも、多量に飲んでしまうと危険ですので注意して下さい。
歯石の沈着
重曹うがいのやりすぎなどで、口内環境がアルカリ性に傾くと「歯石」ができやすくなります。歯石ができると、ザラザラとした表面が足場になって歯垢(細菌)が蓄積されてしまうので、口臭だけでなく歯周病などの原因にもなります。
歯石と口臭の関係については、「歯石による口臭!自分でケアする除去&予防法」をご覧ください。
まとめ:重曹うがいで口臭予防
重曹うがいは手軽にできる口臭予防としてオススメの方法ですが、全てを解決してくれる万能な口腔ケアではありません。一時的な口臭対策や限定的な口内環境の改善に活用するための「ひとつの選択肢」として取り入れることが大切です。
口臭対策の基本は、歯磨きやデンタルフロスによる汚れの除去や唾液分泌の促進、虫歯や歯周病などの治療といった、様々な口腔内を健康に保つ対策が必要ですので、それらの対策もしっかりと行いながら、重曹うがいの効果的な活用にも挑戦してみてはいかがでしょうか。