手軽な口臭予防アイテムとして人気の「ガム」は、香りで一時的に口臭を抑えるだけのものと思われている方も多く、ガムを噛むことのメリットを活かしきれていない場合があります。
普段そこまで意識せずに噛んでいるガムも効果的な「噛み方」や「選び方」をすることで、様々な口臭の根本原因の改善に役立ちます。
そこで今回は、口臭予防に効果的なガムの活用法についてご紹介します。
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口臭予防とガムの効果
ガムを噛むことで得られる口臭予防の効果には、「唾液分泌の促進」・「筋力の向上」・「汚れの除去」・「ストレス解消」などが上げられます。
噛むと唾液量が増える
唾液には、汚れを洗い流す「自浄作用」や細菌の繁殖を抑える「抗菌作用」など、様々な口腔内をキレイに保つ効果が含まれています。
そのため、唾液量が低下してこの効果が失われてしまうと、細菌が繁殖しやすい環境となって口臭の原因になりますが、ガムを噛むことで「唾液腺」が刺激されるので、唾液の分泌量を増やすことができます。
お口周りの筋力向上
お口周りの筋力が衰えると、無意識に「口呼吸」になり唾液が蒸発しやすくなります。このような状態になると、ドライマウスなどのお口が乾燥する症状が引き起こされて口臭が発生します。また、普段から柔らかい食べ物ばかり食べている人は、アゴの筋力が衰えることで唾液が分泌されにくくなります。
しかし、習慣的にガムを噛むことで、アゴや口輪筋などの口周りの筋力を鍛えることができるので、口腔内の乾燥が原因となる口臭の予防に繋がります。
汚れを絡めとる
食後は歯間やはぐきと頬の間などの「狭い場所」に食べ物のカスなどが残りがちです。さらに、舌のザラザラとした表面は汚れを溜め込みやすい形状をしているので、厚みのある「舌苔」ができる原因にもなります。
これらの汚れは、細菌のエサとして分解されることで口臭を発生する原因になりますが、ガムがお口の中の「汚れ」を絡めとってキレイに掃除してくれるので口臭を予防できます。
ストレスの軽減
私たちが日々感じる緊張や人間関係などの「精神的ストレス」は口臭にも深く関係しています。
ストレスは、唾液分泌や内臓機能の低下から過剰な舌苔の発生まで様々なカラダの異常を引き起こす原因になりますが、ガムを噛むことで集中力が高まり緊張やイライラが緩和されるのでストレスの軽減に繋がります。
虫歯の予防
虫歯になると、歯に空いた穴に食べかすが詰まって腐敗臭のする口臭が発生したり、血や膿の臭いが呼気に混ざって口臭がきつくなったりします。
しかし、ガムを噛むことで唾液が豊富になれば、自浄作用によって汚れが取り除かれるだけでなく、唾液に含まれるミネラルが再石灰化を促して健康な歯へと修復してくれるので虫歯の予防に役立ちます。
ガムの効果的な噛み方
口臭予防にガムを活用するときは、効果的な「噛み方」や「選び方」が大切です。
食後にガムを噛む
食後すぐに歯磨きをする人も多いと思いますが、食事によって豊富に分泌された唾液を洗い流してしまうので、できれば「食後にガムを噛む」ことを習慣化させましょう。食後に10分~20分くらい噛み続けて、唾液をすぐに飲み込まずにお口の中に留めておくように噛んで下さい。
唾液にはお口の中をキレイにする作用だけでなく、食事などで酸性に傾いた口内環境を中和する働きもあるので虫歯の発生を軽減できます。
上顎を使った舌の運動
舌の筋力が衰えると、低位舌(ていいぜつ)と呼ばれる舌が垂れさがった状態となって、余分な舌苔や口呼吸の原因になるだけでなく、歯並びが悪くなって食べかすや歯垢を溜め込みやすい口内環境になります。
そのため、ガムを噛むときはアゴや口周りの筋力トレーニングだけでなく、「上顎と舌でガムを潰す」ような運動を行って舌の筋力を鍛えることも大切です。
ガムをリズムよく噛む
カラダを一定のリズムで動かす「リズム運動」は、神経伝達物質のひとつである「セロトニン」を活性化させる働きがあります。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれる物質で、心の安らぎや自律神経のバランスを整えてくれる効果があるので、ガムを「リズムよく」噛むことでストレス解消にさらに役立ちます。
キシリトール配合のガム
キシリトールに含まれる甘味は、唾液分泌を促進させるだけでなく虫歯の原因となる酸を細菌に作らせません。さらに、プラーク中のカルシウムレベルを上げて再石灰化を促進させ歯を硬くする働きがあります。
虫歯予防のためには、糖類が「0g」でキシリトールの含有率が「50%以上」のものが望ましいと言われています。
噛みごたえのあるガム
アゴや口周りの筋力を向上させるには「噛みごたえ」のあるガムを選ぶと効果的です。硬めのしっかりとした食感のあるガムを選ぶことで、筋力トレーニングになるだけでなく唾液分泌も促進されます。
おすすめは「歯磨きガム」
アゴの筋力を鍛えるなら「歯磨きガム」がおすすめです。キシリトールの含有率は高くありませんが、糖類が0gなので安心して食後のオーラルケアにも使用できます。
ガムを噛むデメリット
いくらガムが口臭予防に効果があるとはいえ、食べ過ぎや選び方などを間違うとデメリットになる可能性も潜んでいます。
ガムの食べ過ぎ
ガムに含まれるキシリトールは消化されにくいので、食べ過ぎると「下痢」になる恐れがあります。また、過剰に噛み続けると頭痛の症状がでたり、摩擦で歯に負担を与えたりする場合もあるので注意しましょう。
1日の摂取量は「食後の3回」を基本として、合間に噛む回数は購入したガムの用法・用量にそって決めて下さい。
ガムの香りが悪臭に
口臭が気になるからといって「臭い消し」のために香りの強いガムを噛んでしまうと、臭いが混ざってさらに悪臭がすることも。ガムの香りや味を選ぶときは、できるだけ香りが強くない「ミント味」のものを選ぶのが無難です。
顔のラインが歪む
ガムを片側の歯だけで噛み続けていると、アゴの筋力がアンバランスになって顔のラインが歪むことがあります。意識的に両側の歯を使って「交互」に噛むことを心がけながら、どちらか一方だけに負担がかかり過ぎないように注意しましょう。
まとめ:口臭をガムで予防
ガムを口臭対策に活用するためには、「口臭をごまかすアイテム」として頼るのではなく、口臭を予防・改善するための「補助的なアイテム」として上手に使うことがポイントです。
なによりも、丁寧な歯磨きや歯間ブラシを使った歯垢や食べかすの除去などの口臭原因を減らすオーラルケアを行いながら、「豊富な唾液の分泌」や「口周りの筋力向上」などにガムを活用してみてはいかがでしょうか。