口臭の原因の多くは口内環境の悪化と言われています。
しかし、胃もたれや胃痛、胸焼けなどの胃の不調が気になるという方は、「胃からくる口臭」が発生している可能性があるので注意が必要です。
そこで今回は、胃が悪いことで発生する口臭の原因と対策についてご紹介します。
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胃からくる口臭の原因
消化不良による口臭
本来、胃が健康で正常な働きをしている場合は、胃からくる口臭が発生することはまずありません。
しかし、様々な原因により胃が病気や不調に陥ってしまうと、「消化不良」の状態になって食べ物をスムーズに消化することが出来なくなります。すると、長時間食べ物が胃に滞留することで、食物が発酵し強烈な悪臭ガスが発生します。
この悪臭ガスが血液にのって肺にたどりつくと、呼気に混ざって「卵が腐ったような臭い」と表現されるような「硫黄臭」を伴った口臭が現れてきます。
胃で発生した悪臭ガスは呼気と一緒に排出されるだけでなく、汗とともに分泌されることで体臭をきつくする原因にもなります。
胃酸による口臭
胃酸などの胃の内容物が食道から口へとこみ上げてくることで、「酸っぱい臭い」や「嘔吐物のような臭い」を伴った口臭がすることがあります。
通常、胃の中のものは胃の入り口にある「噴門」とよばれる部分の筋肉(下部食道括約筋)がフタの役割をすることで、胃の内容物が逆流することを防いでいます。しかし、「胃酸過多」や「逆流性食道炎」になると、噴門部分がゆるんで胃の中の食べ物や空気、胃液などが逆流しやすくなり口臭が発生します。
元々このような症状は、加齢によって見られる症状でしたが、ストレスや食生活、生活習慣の乱れなどによって、最近は20代~30代の若い世代にも増えてきていると言われています。
胃が悪くなる原因(病気や不調の理由)
胃からくる口臭を改善・予防するためには、まず「消化不良」や「胃酸過多」などの胃の不調が起こる原因を知ることが大切です。
ストレスや疲労
ストレスや疲労は自律神経のバランスを崩し、胃のぜん動運動を弱めたり胃液の分泌量や粘膜に影響を与えたりします。その結果、胃酸過多や消化不良などの胃の機能低下が引き起こされます。
暴飲暴食
暴飲暴食により消化の時間が長くなることで胃に負担がかかります。さらに、過剰な食事で胃が引き伸ばされることで噴門の筋肉がゆるんで、胃の内容物の逆流が起こりやすくなります。
胃に負担をかける食品
辛い食べ物やアルコール類、コーヒーや紅茶などの「刺激物」は、過度にとりすぎると胃の粘膜を刺激して胃の荒れなどを引き起こします。また、脂肪分の多い食事は、噴門の筋肉のゆるみや胃酸の増加につながります。
乱れた生活習慣
日頃の運動不足や睡眠不足、習慣的な喫煙なども胃の調子を悪くする原因になります。さらに、食事が遅くなって就寝前になるような人の場合、消化が追いつかずに消化不良や胃酸の逆流が起こりやすくなります。また、長く空腹が続くと胃の荒れの原因になるので注意して下さい。
胃からくる口臭の対策
ストレスを解消
ストレスは胃からくる口臭だけでなく、その他の口臭や体臭の大きな原因のひとつです。出来るだけストレスとなる要因を排除して、リフレッシュできる時間をつくりましょう。
身体的・精神的ストレスを感じるときは、自分一人で抱え込まずに割りきって心身を休めることを優先して下さい。
また、腹式呼吸による深い深呼吸やゆったりとした入浴、フワフワとした手触りのあるネコや犬、ぬいぐるみなどを撫でるなどの行為も、手軽にリラックス効果を得ることができるので試してみて下さい。
その他のリラックス法についての詳細は、「副交感神経を優位に!リラックスする11の方法」をご覧ください。
腹八分・よく噛んで食事する
胃の口臭を軽減するには胃への負担を軽減することも大切です。ついつい食べ過ぎてしまいがちな人は、できるだけ「腹八分目」に抑えるように意識して、暴飲暴食をしないように心がけましょう。
また、食べ物をすぐに飲み込んでしまう人は、噛む回数を増やして「よく噛んで」から飲み込むように下さい。噛むことで食べ物が細かくなり消化しやすくなるだけでなく、唾液分泌が促進されて唾液に含まれる消化酵素の「アミラーゼ」により、胃での消化負担が和らぎます。
適度な運動の習慣化
日頃から運動不足の人は、適度な運動を習慣化することで、胃が刺激されて働きが活発になります。また、カラダに負担の少ない運動はストレス解消にもなり、自律神経のバランスを整えてくれます。
ただし、食後すぐの運動は胃に負担がかかり、荒れなどの原因になるので注意して下さい。
適度な運動の習慣化については、「自宅で有酸素運動!家でできる室内トレーニングのすすめ」をご覧ください。
消化を助ける「胃にやさしい」食べ物
口臭や胃の調子が気になる場合は、脂っこい食事や辛いものは控えて、お粥やお豆腐、卵などの胃にやさしい食べ物を選びましょう。
とくに、胃の免疫力を高める「キャベツ」や消化を助けてくれる「大根」、胃のハリやムカムカを改善してくれる「ジャガイモ」などがオススメです。
また、胃の粘膜を保護・修復して、胃潰瘍などの原因となる「ピロリ菌」を体外へ排出してくれる「めかぶ」は、色々な体臭対策としても効果的な食べ物です。
めかぶによる体臭対策についての詳細は、「めかぶで体臭が消える?驚きの効果と上手な食べ方」をご覧ください。
規則的な食事時間
食事時間がまちまちな人は、できるだけ「規則正しい食生活」へ改善していきましょう。食事は就寝の2~3時間前までには済ませるように心がけ、睡眠中に胃へ負担をかけないようにして下さい。
また、空腹時は水やお茶、お菓子などでもかまいませんので、軽めの食事をとるようにして、少しでも空っぽの胃の中を満たしてあげることが大切です。
ニオイの強い食べ物による口臭
ニンニクやニラ、玉ねぎなどの「ニオイの強い」食材は、お口の中に残る食べかすや食後のゲップなどが原因で口臭をきつくするだけでなく、胃の中に入ることでニオイ成分が全身をめぐって口臭を発生させます。
ニンニクなどの強い臭いを作りだす「アリシン」と呼ばれる物質は、食後まもなく胃壁に吸収されると血液と一緒に全身を巡り、肺へとたどり着いて呼気とともに排出されることで息を臭くします。
ニオイの強い食べ物を食べるときは…
このような口臭を予防・改善するためには、ニンニクなどのニオイの強い食べ物は出来るだけ控えるのが一番です。しかし、どうしても食べたい場合は、食前に牛乳を飲んだり、食中・食後に緑茶や烏龍茶、マテ茶などを飲んだりすることで嫌な臭いを軽減することができます。
胃が悪いと腸にも影響が…
胃は食べ物を消化する第一段階の臓器としての役割があります。そのため、胃が悪いままだと、他の消化器官にも負担がかかってきます。
とくに、消化が十分に行われないことで、腸に負担がかかって「便秘」を引き起こすことも。便秘になると、腸内に悪臭ガスが溜まって口臭や体臭の原因になるので注意が必要です。
さらに、便秘は腸から胃への圧迫を強める原因にもなるので、食道への逆流へとつながり逆流性食道炎を引き起こす恐れがあります。
便秘が引き起こす臭いについての詳細は、「便秘がちな人の口臭・体臭!体をスッキリさせる対策法」をご覧ください。
まとめ:口臭と胃の関係
胃の健康管理は、何よりも「胃をいたわる」ことが大切です。近ごろ胃の調子が悪いなと感じている方は、意識的にケアしてあげましょう。
胃からくる口臭は、普段の歯磨きなどのオーラルケアだけでは改善・予防することができない口臭ですので、日々の食事の量や食生活のリズム、ライフスタイルなどを見直して、健康的な生活を目指しましょう。