いつも清潔にしているはずなのに、なぜか体臭が「カビ臭い」と悩んでいる人は、病気や服からくる臭いが原因になっているのかも。
カビ臭いといえば、押入れなどの湿気のある場所を思い浮かべる人も多いと思いますが、体内環境の悪化などでも自分の汗や息がカビ臭くなることがあります。
そこで今回は、体臭がカビ臭い人が陥りやすい原因やその対策についてご紹介します。
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カビ臭い体臭の原因って?
体臭がカビ臭いという人は、次のような原因に注意しましょう。
肝臓の病気や機能低下
病気などで肝臓の働きが悪くなると、カビ臭い体臭が発生する場合があります。これは、肝機能の低下により、本来は肝臓で解毒・分解されるはずの「悪臭物質」がきちんと処理されず、体内に留まってしまうことが原因です。
体内に残った悪臭物質は、血液に溶け込み全身へと行き渡ることで、汗と一緒に分泌されると体臭を悪化させ、肺にたどり着いて呼気と一緒に排出されると口臭を悪化させます。このときに、人によっては「口の中が苦い」と感じることがあります。
肝機能の低下は、カビ臭い体臭のほか、ドブ臭いにおい、ネズミ臭、アンモニア臭などを伴う体臭や口臭を引き起こすことも。
衣服に付着した臭い
カビ臭い体臭の原因として、最もポピュラーなのが「衣服による臭い」です。ジメジメした湿っぽいタンスや収納ケース、クローゼットなどに長い間入れておくと、どうしてもカビが繁殖してしまい服自体が臭くなります。
また、洗濯槽の汚れや部屋干しによる生乾きも、たっぷりな湿気や汚れ、埃などにより、衣服がカビ臭くなる原因になります。
フェニルケトン尿症
とても稀なケースですが、「フェニルケトン尿症」という病気によっても、カビ臭い体臭が発生します。
フェニルケトン尿症とは、必須アミノ酸のフェニルアラニンをチロシンという物質に代謝するための酵素が、生まれつき「先天的」に不足している難病です。あまり知られていない病気ですが、日本では500人程度が発症していると言われています。
カビ臭い体臭を改善する対策
カビ臭い体臭を改善するためには、肝機能の低下や衣服の臭いなどそれぞれの原因に合わせて、効果的な対策を選ぶことがポイントです。
肝臓に負担をかけない
カビ臭い体臭を引き起こす肝臓の病気や衰えを予防するには、なによりも「肝臓に負担をかけない」ことが大切です。脂質や糖質が多い食事、早食い、暴飲暴食、食事制限による過剰なダイエットなどは、栄養バランスを崩して肝機能の低下に繋がるので控えましょう。
とくに、アルコールやインスタント食品、動物性脂肪(乳製品や脂身の多い肉類)などは、肝臓への負担も大きいので、肝臓が弱っている人は極力食べるのを避けてください。
また、ストレスや睡眠不足、喫煙などの乱れた生活習慣も、血行不良や過度の解毒作業に繋がるので肝臓に負担を与えてしまいます。その中でも、睡眠は肝臓を休ませるための重要なプロセスです。睡眠リズムを乱さないように就寝時間を整えつつ、最低でも6時間以上は眠るよう努めてください。
肝臓の働きを高める
肝臓への負担を軽減するだけでなく、肝機能を高める取り組みも大切です。もっとも手軽で毎日続けることができる方法としては、肝臓の働きをサポートする栄養素を食事のなかで補給していくことです。
例えば、ビタミンB1、B2、B6は、肝臓での糖質や脂質、タンパク質の代謝を助けてくれる栄養素です。ビタミンB12、ナイアシン(ビタミンB3)は、アセトアルデヒドやアルコールの分解代謝を促進する作用があるので、酒飲みさんの人にもオススメです。
その他にも、タウリン、オルニチン、セサミン、ウコン、ショウガなども、肝臓の働きを強化したり肝細胞の再生を促したりする効果が期待できます。また、良質なタンパク質を摂ることは、健康的な肝臓を維持することにとても役立ちます。
衣服についたカビ臭の消臭
衣服がカビ臭いときは、もう一度「洗い直す」のが一番ですが、手軽に臭いをとりたい場合は、ドライヤーの風やスチームアイロンの蒸気を吹きかけるのが効果的です。繊維に付着したニオイ成分が剥がれて、嫌な臭いを軽減できます。
時間があるときは「天日干し」をして、太陽の光や風にしっかり当ててあげることも効果的です。衣服の臭いが取れやすくなりますし、殺菌されてカビを抑制することができます。
すぐには洗えない服の消臭方法については、「制服・スーツが臭い!毎日は「洗えない服」の臭いを取る方法」をご覧ください。
衣服にカビの臭いをつけない
衣服はもともとニオイ成分が付着しやすく、周囲の臭いに影響を受けやすいものです。そのため、服をかけておくクローゼットやお部屋をしっかり「換気」してカビの発生を防ぎましょう。
天気の良い日に、扉や窓を開けて風通しを良くするだけでもOKですが、扇風機などを用いて湿気が気になる場所に風を送ることで、より湿気を外に追い出すことができます。収納の際は、服をぎゅうぎゅうに詰め込みすぎないこともポイントです。
また、洗濯機の中をキレイに保つことも大切です。定期的に洗濯槽クリーナーなどでカビや汚れを除去することを忘れずに行なってください。
カビ臭い体臭は、加齢臭かも?
加齢臭の臭いといえば、ロウソクのような臭い、古いタンスの臭い、腐った油の臭いなど、様々な言葉で表現されますが、人によっては「カビの生えた本のような臭い」、「カビ臭いチーズのような臭い」と表現されることも。
もしも、これらの臭いに心当たりがあるのなら、加齢臭に合わせた対策をとる必要がありますので、まずは加齢臭のセルフチェックを行なってみてください。
加齢臭のセルフチェックについては、「加齢臭はどんな臭い?どこから臭うの?チェック方法とその特徴」をご覧ください。
まとめ:体臭がカビ臭い人の原因と対策
カビ臭い体臭の原因が、服に染み付いた臭いだけならさほど問題はありません。しかし、肝臓の病気や衰えが原因となって体臭が発生している人の場合は、食生活や生活習慣の乱れを見直していくことが必要になってきます。
日頃から、暴飲暴食やジャンクフード、ストレス、睡眠不足などの肝臓を悪くする原因に注意しながら、健康的な体内環境をキープしていきましょう。