体臭の悩みを根本的に解消したいのなら、自分の体臭を「いい匂い」にすることが最もシンプルで効果的な方法です。
体が臭う原因の多くは、自分自身の日頃の生活が大きく影響しているので、的確な対策方法さえ解かれば、特別なケアやアイテムに頼らなくても、スッキリとしたいい匂いのするカラダにつくり変えることができます。
そこで今回は、体臭をいい匂いにするための具体的な対策方法についてご紹介します。
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体臭をいい匂いにする三大要素
① 不快臭を予防する
体臭をいい匂いにするためには、体や衣類から発せられる不快臭を予防することが絶対条件です。体を清潔に保つことはもちろん、衣類への汗の付着、お部屋の生活臭、体内環境の悪化による悪臭物質の発生など、体臭が臭くなる原因をひとつずつ排除していきましょう。
嫌な臭いが残ったまま香水やデオドラントの香りに頼ってしまうと、ニオイ成分が混ざってさらに強い悪臭になる可能性もあるので、不快臭をリセットすることを一番に考えてください。
② 人が好むいい匂いを知る
匂いの好みは人それぞれです。そのため、いくら自分にとって「いい匂い」と感じる香りでも、周囲の人が同じ印象を持ってくれるとは限りません。重要なのは、多くの人に好まれる匂いのポイントを知ることです。
- 石鹸の匂い
- 柑橘系の匂い
- フローラルの匂い
清潔感のある「石鹸」や爽やかな「柑橘系」の匂いは、男女問わず人気のあるフレグランス。また、女性らしさ・可愛らしさを感じさせるバラやジャスミンなどの「フローラル」の匂いは、男性が女性につけてもらいたい人気の香りと言われています。
③ 香りをつけすぎない
どんな匂いを選ぶにしても、最も大切なのは「ほんのり自然に香る」こと。多くの人が好感をもつ匂いは、すれ違い様にフワっと香るくらいの「控えめ」が理想です。
嗅覚は、同じ匂いを嗅いでいると、次第に慣れてその匂いを感じなくなる特性があるので、香水などをつけた時に自分でもハッキリと匂いつづける場合は「つけすぎ」の証拠です。強すぎる香りは、相手に不快な印象を与えかねないので、優しく香る程度を心がけましょう。
体臭をいい匂いにする10の方法
① 善玉の「皮膚常在菌」を増やす
体臭がいい匂いになるか、悪臭になるかは、私たちの皮膚上に棲みつく「皮膚常在菌」が密接に関わっています。腸内環境の良し悪しに「善玉菌」と「悪玉菌」が関わっているように、皮膚にも肌環境に影響を与える細菌が存在しているわけです。
- 皮膚善玉菌
- 表皮ブドウ球菌と呼ばれる常在菌のこと。汗や皮脂などをエサに香水の原料にもなる良い香りの脂肪酸を産生して、体臭をいい匂いにしてくれる。お肌を健康的な弱酸性の状態に保つ役割もある。
- 皮膚悪玉菌
- 黄色ブドウ球菌や真菌などの常在菌のこと。汗や皮脂などから臭いや刺激が強いタイプの脂肪酸、アンモニア、硫化水素、インドールなどの悪臭物質を発生させる。過剰繁殖すると不快臭により体臭がきつくなる。
つまり、体臭をいい匂いにするには、善玉菌である表皮ブドウ球菌が住みやすい環境をつくることが重要ということになります。
皮膚善玉菌を増やす方法は?
表皮ブドウ球菌が元気に活動できる肌環境は、日頃のケアで差がつきます。体臭ばかり囚われずに、良好な肌環境をつくるための「お肌を労ったケア」を意識してください。
- 洗いすぎない
- 刺激性の成分を避ける
- 保湿する
表皮ブドウ球菌は、適度な皮脂膜で覆われたしっとりとした肌が大好きです。
そのため、お風呂で体を洗う際は、必要な皮脂まで奪ってしまわないように「洗い方」に注意する必要があります。臭いが気になるからといって、ゴシゴシと強い力で洗ってしまうと、お肌が傷ついて健康的な皮脂膜が保てなくなるので注意しましょう。
また、洗浄力の強いボディソープやシャンプーは、スッキリする反面、お肌のバリア機能を低下させて肌荒れや皮脂の過剰分泌をさらに悪化させる恐れがあります。界面活性剤や香料などが多く含まれたタイプは避けるようにしてください。
お風呂上がりには、化粧水や乳液でしっかり「保湿」することも大切です。
表皮ブドウ球菌が増えれば、アルカリ性を好む悪玉菌は自然と減っていくので、いい匂いの体臭になるだけでなく、汗をかいても「臭いにくい」体になれます。
② 体の汚れを放置しない
汗や皮脂、古い角質は、皮膚善玉菌のエサになりますが、多汗や皮脂の過剰分泌などで「増えすぎた汚れ」は、放置すればするほど肌環境を悪化させて、黄色ブドウ球菌などの体臭原因を増やすことに繋がります。
こまめなケアを意識することで、皮膚上に残りがちな汚れをできるだけ取り除いてあげましょう。
- 朝シャワーを浴びる
- 汗をこまめに拭き取る
- 過剰な皮脂を除去する
睡眠中は意外に多くの汗をかいています。朝でかける前にシャワーを軽く浴びて、汚れを洗い流してから外出してください。
お出かけ中に汗をかいた場合は、制汗シートや濡れタオルなどでこまめに拭き取ったり、皮脂が過剰に増えた場合は、油取り紙などでケアすることが大切です。ただし、ごしごしと拭き取るようなケアは控え、押さえるように(吸い取るように)拭き取ってください。
汚れを取り除く際は、「適度」に行なうことが重要です。過剰にお肌をこするような刺激の強いケアは、逆に体臭原因を増やすことになるので注意しましょう。
③ 臭いやすい場所は重点的にケア
臭いやすい場所は、汚れが残りやすい場所でもあるので、重点的にケアする必要があります。体臭がきつく感じられる原因は、特定箇所からの強い臭いが影響しているケースが多いので、意識的に次のような場所をケアしていきましょう。
- 頭皮
- 耳の裏やうなじ
- 脇の下
- 胸や背中
- デリケートゾーン
- 足の裏や足指の間
頭皮や耳の裏、うなじ、胸、背中などは、皮脂量が多いので、酸化臭や加齢臭が発生しやすい場所です。そして、足裏は角質が厚く、足の指の間は汚れが溜まりやすいので、足の臭いの原因物質が溜まりやすい場所です。
また、体質的にアポクリン汗腺が活発な人は、脇の下やデリケートゾーンなどにワキガ特有の臭いが現れてくるので、体臭がきつく感じられることも。
加齢臭やワキガ、足臭などに適した「専用」の石鹸やデオドラントクリームなどの活用がおすすめです。また、古い角質は定期的なピーリングで除去すると効果的です。
④ 衣類をいい匂いにする
衣類は、体臭をいい匂いにする重要なポイントのひとつです。いくら体臭に気をつけていたとしても、洋服から悪臭が漂ってしまえばせっかくのケアも台無しです。衣類に対する臭いの予防と香りづけを上手に行なうことで、衣類のいい匂いをキープしていきましょう。
- 洗濯機の中を掃除する
- 柔軟剤の匂いを長持ちさせる
- 生乾きを防ぐ
- 優しい香りの芳香剤を使う
洗濯槽はキレイに見えても、菌やカビが繁殖しているケースが少なくないので、定期的に洗濯槽のお掃除をして、衣類に悪臭原因が付着しないようにしましょう。柔軟剤は、最後のすすぎの段階で入れたり、脱水時間を短めにしたりするといい匂いが長持ちします。
また、洗濯物をすぐ干さずに放置していると、雑菌が繁殖して「生乾き」特有の嫌な臭いが衣類に付くので注意してください。部屋干しする場合は、扇風機の風を当てて素早く乾かすと臭いを予防できます。
衣類を収納する際は、ハンガーにかけるタイプの芳香剤やポプリを用いたり、タンスに石鹸を入れたりして、いい匂いが衣類に染み付くような工夫をしましょう。
⑤ 靴や洋服への汗ジミを予防する
体臭をいい匂いに保つには、汗ジミ対策も重要です。靴や洋服に汗が染み込むと、雑菌が繁殖して臭いが強くなるので、汗ジミを防ぐアイテムを上手に活用していきましょう。
- インナー
- 汗ワキパット
- 靴下
- インソール
インナーは、汗をかきやすい背中や脇、お尻、太ももなどをケアするためにも、袖つきのトップスや、女性用のボクサーパンツ、ロングショーツなどが理想です。Tバックやタンクトップは、汗が衣類にそのまま付着してしまうので避けてください。
また、靴を履くときは、靴下やフットカバー、インソール(中敷き)などで、汗が靴に直接染み込まないよう工夫しましょう。汗ジミ対策用のアイテムは、「速乾・吸湿・抗菌・消臭」などの効果が優れているタイプを選んでください。
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⑥ 部屋の生活臭をいい匂いにする
お家の生活臭は、想像以上に衣類や体臭に影響します。衣類や体臭がいい匂いの人は、お部屋の嫌な臭いの消臭はもちろん、心地よいルームフレグランスにもこだわっているものです。
- 空気の入れ替え
- 水回りをキレイに
- アロマ
- お香
- 香水
まずは、生活臭をスッキリさせるために、こまめに空気を入れ替えて常にお部屋の空気を新鮮に保つことが大切です。そして、キッチンやトイレなどの水回りを清潔に保ち、空気が嫌な臭いで淀むのを予防しましょう。
その上で、自分好みのアロマやお香、香水、石鹸(フレグランスソープ)などを活用して、お部屋をいい匂いに変えていきます。ただし、匂いの強いものは好みが分かれるので、優しく香るくらいに留めるのがポイントです。
臭いが染み付きやすいソファーやベッド、カーペット、カーテンなどは、消臭スプレーやこまめなカバーの取り替えなどで対処してください。
⑦ 汗腺を鍛えてサラサラ汗をかく
普段あまり汗をかかない人は、汗がでる「汗腺」の働きが鈍っている可能性があります。汗腺の働きが悪くなると、ベタベタとした不純物の多いアルカリ性の汗をかくようになるので、汗臭さがきつくなって体臭が悪化してしまいます。
- 入浴
- 岩盤浴
- サウナ
- 適度な運動
などの方法は、自然に多くの汗をかくことができるので、汗腺を鍛えるのにピッタリの発汗法です。汗腺が鍛えられると、99%が水の「サラサラ汗」が分泌されるようになるので、表皮ブドウ球菌の住みやすい肌環境が作られ、体臭をいい匂いにしてくれます。
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⑧ ストレスを減らす
ストレスを慢性的に受け続けると、血行不良や内臓機能の低下、自律神経やホルモンバランスの乱れなどによって、様々な体臭や口臭が発生します。ストレスによる体内環境の悪化を防ぐには、何よりもストレス解消が一番ですので、リラックスできる時間をつくることが大切です。
- 半身浴
- 軽めの有酸素運動
- 腹式呼吸
- ぬいぐるみをなでる
- 感動の涙を流す
- 精神安定のアロマを嗅ぐ
などの方法は、副交感神経を優位にする作用があるので、心身のリラックスに繋がり、乱れた体内環境を整えるのに役立ちます。とくに、アロマテラピーは、お部屋や衣類の香りづけにも役立つので、体臭をいい匂いにするリラックス方法として理想的です。
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⑨ 嗜好品(タバコ・お酒)を控える
タバコやお酒が好きな人は、できるだけ量を減らすことが大切です。これらの嗜好品は、そのものの臭いが強いので、体臭をいい匂いにする対策の足をひっぱることは分かると思いますが、さらに体内環境までも悪化させてしまうので、数多くの体臭に繋がる原因になります。
ヘビースモーカーやのんべえさんは、禁煙・禁酒とはいかないまでも、できるだけ量を減らすことから始めてみてください。
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⑩ 臭いが出る食べ物を控える
食べ物の中には、体臭を臭くする成分を含む食品もあるので、一日の摂取量の上限を守って、食べ過ぎないように注意する必要があります。とくに、お肉好きやチーズ好きの人は、体臭がきつくなる傾向にあるので気をつけましょう。
- 肉類
- 乳製品
- 香味野菜
- アブラナ科の野菜
お肉や揚げ物、乳製品などは、動物性タンパク質や脂質が多く、胃や腸に長く留まることで、体内に悪臭ガスを増やします。また、ユリ科の野菜(にんにく・玉ねぎ・ニラなど)や、アブラナ科の野菜(大根・菜の花・ワサビなど)には、刺激性の香りをもつイオウ化合物が含まれているので、体臭や口臭をきつくする原因になります。
しかし、これらの食品は、体を健康的に維持するための大切な栄養源でもあるので、「食べ過ぎ」に注意しながらも、バランス良く「適量」を摂取するようにしてください。
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重曹+ミョウバンは、体臭をいい匂いにするのにピッタリ!
重曹とミョウバンを効果的に活用すれば、体臭をいい匂いにする対策を加速させることができます。これは、アルカリ性の「重曹」と酸性の「ミョウバン」がもつ特性を上手に使い分けることで、体臭が発生しにくい肌環境を保てるためです。
- 重曹
- 重曹はアルカリ性の物質で、酢酸やイソ吉草酸などの酸性の臭いを中和する作用がある。また、古い角質や皮脂などの汚れを浮き上がらせて、除去しやすくしてくれる。
- ミョウバン
- ミョウバンは酸性の物質で、アンモニアなどのアルカリ性の臭いを中和する作用がある。また、黄色ブドウ球菌などの悪玉菌の繁殖を抑える抗菌作用、お肌の引き締めによる制汗作用などの効果がある。
重曹とミョウバンの使い分け方法
① 重曹風呂で臭いや汚れをリセット
まず最初に、「重曹風呂」を作って全身を浸けます。重曹の効果により、一般的な汗臭さが消臭できるだけでなく、こびりついた汚れが洗い流しやすくなるので、キレイな素肌に石鹸のいい匂いが長く残るようになります。
② ミョウバンスプレーで善玉菌を育てる
そして、お風呂上がりには「ミョウバンスプレー」を吹きかけます。脇や足などの特に臭いが気になる場所にスプレーしましょう。ミョウバンは、重曹風呂でアルカリ性に傾いたお肌を「弱酸性」に整えてくれるので、善玉菌の表皮ブドウ球菌が育ちやすい環境が作られて、体臭をいい匂いにする手助けになります。
まとめ:体臭をいい匂いにする方法
体臭をいい匂いに変えるには、「臭い」を減らして「香り」をつけるのがポイントです。
汗や皮脂によるお肌や衣類の汚れから、偏った食生活、乱れた生活習慣まで、体臭を悪化させる様々な原因をケアすることで、まずは体から発生する不快臭の予防に力を入れていきましょう。
臭くなりにくい体を手に入れてからいい香りをプラスすることで、本来の香りがより引き立ってきますので、強い匂いで体臭を誤魔化そうとせずに、「無臭に香りをつける」ことを意識しながら、いい匂いのする体臭を手に入れてください。