自分の体臭が「生臭い」と感じたことはありませんか?もしも、心当たりがあるのなら、それは体内環境の悪化や病気などが原因で臭いが発生しているのかもしれません。
生臭い体臭は、肺や腸のリンパ管の炎症や肝機能低下などによって引き起こされる可能性があるため、表面的な臭いケアだけで抑えようとしても、なかなか臭いを改善できないことも。
そこで今回は、体臭が「生臭い」と感じるときの原因と対策についてご紹介します。
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生臭い体臭がする原因って?
体臭が生臭いと感じるときには、次の2つの原因が考えられます。
肺や腸のリンパ管の炎症
生臭い体臭のひとつ目の原因には、肺や大腸に存在する「リンパ管」が関係しています。私たちの身体には、リンパ管と呼ばれる細い管が網目状に張り巡らされていて、老廃物を回収する「排泄機能」や全身に細菌が感染することを防ぐ「免疫機能」などの役割を果たしています。
しかし、肉や魚、乳製品などに含まれる動物性脂質を消化する際に生じる「腐敗物質(インドール・スカトール・アミン類など)」が、リンパ管に目詰まりすることで炎症が起き、その結果として生臭い体臭が発生してしまいます。
とくに、空気を体内に取り込む「肺」や、食事で摂取した栄養分を体内に吸収する「大腸」は、血管やリンパ管が集中している臓器なので、腐敗物質による体臭や口臭の原因になりやすい場所と言えます。
魚臭症による臭い
ふたつ目の生臭い体臭の原因は、「魚臭症」と呼ばれる病気によるものです。魚臭症は、別名「トリメチルアミン尿症」とも呼ばれ、「魚が腐ったような」生臭いニオイを発する体臭や口臭を引き起こします。
魚臭症は、食べ物を消化する際に発生する「トリメチルアミン」という悪臭物質を分解する酵素が欠落していることが原因です。そのため、上手く分解できずに体内に残ったトリメチルアミンが汗や呼気、尿などと一緒に排出されることで体臭や口臭をキツくします。
分解酵素の欠落は、先天的に生まれつき無い場合と、肝機能障害などによって肝臓の働きが弱まることで不足・欠落する場合に分けることができます。
魚臭症についての詳細は、「体臭が魚臭い!?魚臭症(トリメチルアミン尿症)の原因と対策」をご覧ください。
生臭い体臭は女性に多い?
生臭い体臭は、男女関係なく発生する可能性があります。しかし、女性に多くみられる悩みが体臭や口臭の発生率を高めてしまう場合もあるので要注意です。
例えば、魚臭症の場合、女性の方が発症する確率が高いことが分かっています。これは、女性特有の妊娠や出産、生理や閉経、更年期などにより、女性ホルモンの分泌が低下してホルモンバランスが崩れることが原因ではないかと言われています。
また、女性が陥りやすい冷え性やむくみ、便秘、無理なダイエット、衣類や下着の締め付けなども、リンパの流れを悪くする原因になるので、生臭い体臭が現れる確率を高めてしまうことに。
生臭い体臭を改善する対策法
生臭い体臭を改善するには、リンパの流れをスムーズにすることや、食事を見直して効果的な栄養素を摂取したり、臭いの元となる成分を制限したりすることがポイントです。
体温を高めて、血行促進
リンパ管の目詰まりを予防して、生臭い体臭を改善するためには、リンパの流れを良くすることが重要です。そこで、体を温めて血行を促進することで、リンパの滞りを無くしてあげましょう。
血行促進の方法としては、湯船にゆっくり浸かるのがオススメです。あまり熱すぎない「38~40度」のぬるめのお湯にじっくり浸かることで、温浴効果や静水圧作用が高まり血行が促進されます。また、リラックス効果もあるので、リンパの流れや血流を悪くする原因となるストレスの解消にも役立ちます。
半身浴などで発汗を促して、老廃物や毒素を汗と一緒に排出することも効果的です。入浴法についての詳細は、「バスタイムで汗腺トレーニング!効果的に汗をかく入浴方法」をご覧ください。
リンパマッサージで、滞りを改善
リンパマッサージをすることでリンパの流れが改善されて、スムーズな老廃物の排出が行えるようになります。また、筋肉が刺激されて働きが良くなるので、全身の血流促進にも繋がります。
リンパマッサージをする時は、まず最初に「首筋・鎖骨付近」のリンパが集まっている場所をマッサージするのがオススメです。マッサージ前に、お水を飲んで水分補給したり、クリームやオイルなどを塗って滑りを良くしたりすると、さらに老廃物が流しやすくなります。
リンパは皮膚の浅い層にあるので、絞り出すように強くマッサージする必要はありません。強い力で行なうと、逆に血行が悪化する場合もあるので、「軽い力でやさしく撫でる」ようにマッサージしてください。
臭いを効果的に抑える食事
生臭い体臭を改善してくれる食材をメニューに取り入れたり、臭いの原因となる食材を控えたりすことも大切です。
例えば、動物性脂肪を含む脂っこい料理を食べるときには、「大根・にんにく・玉ねぎ・長ネギ・しょうが・唐辛子」などの辛味成分が含まれている食材を組み合わせるのがオススメです。辛味成分により体温が上がって血行が良くなるばかりか、発汗作用で滞った悪臭物質などの老廃物を汗と共に排出することができます。
また、トリメチルアミンの元となる成分が含まれた食材を控えることも重要です。卵や肉類、豆類などに含まれる「コリン」、卵黄やナッツ、ごま油などに含まれる「レシチン」、イカやタコ、エビ、カニなどに含まれる「トリメチルアミンオキシド」などの摂取には注意する必要があります。
魚臭症は、食事療法で臭いを軽減できますが、珍しい病気のため治療法がまだ確立されていません。心配な方は、専門医に相談することも考えてみてください。
まとめ:生臭い体臭の原因と対策
生臭い体臭は、気温が下がって代謝活動が低下する「秋」に発生しやすいという話があります。これは、寒くなることで血管やリンパ管が収縮して、流れが悪くなることが原因ですので、体を冷やさないように「季節に合わせたケア」もポイントになってきます。
また、リンパの流れや血流を悪くする、運動不足やストレス、無理なダイエットなども見直して、体の巡りが良くなる生活習慣を心がけてくださいね。