暑い季節や辛い食べ物に関係なく急に大量の汗をかいてしまう方は、緊張や不安、焦りなどによるストレスが原因となって自律神経のバランスが乱れている可能性があります。
ストレスを感じやすい場面というのは、なにかと人と関わることも多くなるため、汗をかいてしまうことで相手がうける印象や汗の臭いなどが気になるものです。
そこで今回は、ストレスによる汗の原因と対策についてご紹介します。
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ストレスで汗をかくのはなぜ?
自律神経と汗の関係
通常、汗は「体温調節」の役割を担っており、水分が蒸発することで熱を奪う「気化熱」の作用を活かして、熱を持ちすぎたカラダを冷やしてくれています。
この発汗の機能をコントロールしているのが自律神経のひとつである「交感神経」で、体温が上昇したことを視床下部が感知すると、この交感神経を経由して汗を分泌する汗腺に指令がだされることで汗をかきます。
ストレスが原因となる精神性発汗
プレゼンや面接などの人前に出た時や失敗して恥ずかしい思いをした時などに、汗が吹き出してきたという経験のある方も多いのではないでしょうか。
このような状態を「精神性発汗」と呼び、交感神経が不安や緊張などのストレスによって活性化するために起こります。そのため、精神的圧迫を受ける状況になればなるほど、交感神経の作用が強くなって大量の汗をかくようになります。
大量の汗をかく人は「精神性多汗症」かも
精神性発汗で大量の汗をかいてしまう場合は、「精神性多汗症」という症状が現れている可能性があります。
本来、自律神経は「交感神経と副交感神経」の2つの神経がバランスを保ちながらカラダの様々な機能を調整していますが、強いストレスを受け続けることで自律神経のバランスが乱れて、交感神経が活発になりすぎてしまうことが精神性多汗症の原因ではないかと言われています。
精神性多汗症は、脇の下・手のひら・顔・頭・足の裏などのカラダの特定部分に大量の汗をかくのが特徴で「局所性多汗症」と呼ばれることもあります。また、人によっては全身に汗を大量にかく場合もあります。
自律神経を整える汗対策
ストレスが原因となって起こる精神性の多汗症では、乱れた自律神経を整えてあげる必要があります。そのためには、もうひとつの自律神経である「副交感神経」を活性化させることで、強くなりすぎた交感神経を沈静化してバランスをとってあげましょう。
副交感神経でバランスを整える方法
副交感神経は興奮したカラダを沈めて心身をリラックスさせる働きをもっているため、上手に活用することで自律神経の乱れを改善して汗を抑えるだけでなくストレスの解消にも役立ちます。
まず最初に、毎日の生活で心がけてほしいのが「腹式呼吸」と「適度な運動」です。腹式呼吸やカラダに負担の少ない運動を行うことで、自然とゆったりとした深い呼吸が行えるため副交感神経の活性化に繋がります。激しい運動はさけて継続的に軽めの運動を行なっていきましょう。
また、就寝前にオススメなのが「入浴」です。普段から熱めの湯船に浸かっている人やシャワーだけで済ませている人は、ぬるめの湯船にゆったりとつかることで副交感神経が優位になってリラックス効果を得ることができます。さらに、眠りに入りやすくなって睡眠の質が向上することでしっかりとカラダを休めることができます。
副交感神経の活用についての詳細は、「副交感神経を優位に!リラックスする11の方法」をご覧ください。
汗対策にはサプリメントも効果的
ストレスの改善による汗対策は、時間がかかるのも事実。すぐに多汗を何とかしたい!という人は、自律神経を整える取り組みにプラスして、「サプリメント」を活用した汗対策ケアがおすすめです。
体質改善や消臭効果に優れたポリフェノールなどの成分をサプリで「効率よく」摂取することで、体の内側から多汗をケアしていきましょう。
ストレスが汗を臭くする場合も…
一般的に「汗臭い」といわれる体臭では、皮膚や衣類などに残った汗を細菌がエサとして分解することで悪臭を発生させることが原因となっています。しかし、日々ストレスを感じていて「最近なんだか体調が優れないな…」と思っている方は、通常の汗臭さとは違う汗の臭いにも注意が必要です。
頻繁にストレスを受け続けていると、自律神経の乱れなどにより胃腸や肝臓・腎臓などの「内臓機能」が衰えてしまいます。すると、食べ物や毒素などを処理できずに臭いの元となる有害物質が血液にのって全身を巡ることで、「独特な臭い」を発する汗をかくようになります。
例えば、便のような臭いやアンモニア臭、卵が腐ったような硫黄臭、魚が腐ったような腐敗臭などの体臭原因となります。
内臓機能の低下による体臭についての詳細は、「体臭とストレスの関係!弱った内臓からくる臭いって?」をご覧ください。
まとめ:ストレスによる汗の対策
ストレスが原因となる汗の対策では、ストレスを作り出す日頃の生活の中に潜む問題を排除することはもちろん、自律神経のバランスを整える対策をとりながら、出来るだけ心を落ち着かせることを心がけてみて下さい。
とくに、几帳面で真面目な方、周りに気を使う気配り上手な方、人前が苦手な人見知りの方などはストレスを溜め込みやすく、精神性多汗症になりやすい性格と言われています。
さらに、人前で大量の汗をかくことを気にするあまりに神経質になってしまい、さらにストレスを感じて汗をかいてしまうケースも考えられますので、心当たりのある人はあまり気にしすぎずに「おおらか」にかまえて、自分を追い込まないように注意して下さい。