頭だけに汗を異常にかくという人は、カラダに異変が起こっているサインかもしれません。
滝のように頭から汗をかいてしまうと、汗の臭いから頭皮の蒸れや髪の毛の湿り、ヘアスタイルやお化粧崩れによる見た目の悪さまで、色々と不快な思いをするはめに。
そこで今回は、頭の汗が多くなる原因とその対策法についてご紹介します。
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頭の汗が多い原因は?
頭部多汗症(精神性多汗症)
頭からすごい汗をかく場合、「頭部多汗症」を発症している可能性があります。頭部多汗症は、「精神性多汗症」のひとつで、頭皮やうなじなどから異常なほどの発汗がみられる病気です。頭などの特定の場所に大量の汗をかくので、「局所性多汗症」と呼ばれることも。
精神性多汗症は、慢性的なストレスや緊張などで自律神経のバランスが崩れることが原因と言われています。とくに頭部多汗症は、周りに汗が目立ちやすいので視線が気になり恥ずかしくなって、さらにストレスを感じて症状が悪化する恐れがあります。
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更年期障害
更年期障害も頭の汗が多くなる原因のひとつです。更年期障害の代表的な症状である「ホットフラッシュ」は、ほてりやのぼせに加え、突発的な大量の発汗症状が起こります。一般的に、更年期障害は更年期(40代半ば)の女性に多く見られる病気でしたが、最近では30代の女性や40代後半の男性にも現れるようになっています。
一部の汗腺が衰えている
日頃から運動不足や冷房の効いた室内でばかり過ごしていると、汗を排出する「汗腺」の機能が低下して発汗に偏りがでてきます。一部の汗腺が衰えてしまうことでカラダはそれ以外の場所から汗をかこうとするので、頭から大量に汗が出ることも。このような発汗は、頭に限らず、顔やワキ、手のひら、足の裏などの場所でも起こる可能性があります。
食べ物による発汗
お肉や揚げ物、乳製品などの「脂質」が多い食品や、パンや麺類、甘いお菓子類などの「糖質」が多い食品を食べすぎていると、全身の汗量が増えるので頭の汗も多くなります。さらに、このような食生活は、皮下脂肪や内臓脂肪を増やすことに繋がるので、熱が体内にこもりやすくなって肥満による発汗の原因になることも。
その他の病気による発汗
意外な病気が汗を多くしている場合もあります。例えば、自律神経失調症・糖尿病・甲状腺疾患(バセドウ病)・パーキンソン病・白血病・結核などです。このような病気は、頭だけに汗をかくというよりは、主に全身性多汗の症状が現れます。汗以外に体調不良などの何かしらの兆候がある場合には医療機関で治療する必要があります。
急な汗は臭いやすい
突然の急な汗は臭いが強くなりやすい傾向にあります。例えば、突発的に大量の汗をかいた場合、ミネラル分の再吸収が間に合わずに臭いやすい不純物の多いベタベタ汗になります。その他にも、皮脂の分泌量が多い場合は汗と混ざることで体臭がキツくなったり、汗腺機能の低下によりアンモニア臭の汗をかいたりします。
頭にかいた汗が自然な発汗作用でない場合は、発汗を抑える対策だけでなく、頭の臭いケアにも力を入れる必要があります。
頭の汗を止める対策(即効性 編)
まず最初に、頭の汗の対策のなかでも「即効性」のある制汗方法をご紹介します。なるべく手早く汗を止めたい人にオススメです。
首筋を冷やして体温を下げる
体温上昇による汗の場合は、カラダを冷やすのが効果的です。冷却シートやウェットティッシュ、濡れたタオルやハンカチなどで首筋を冷やしてあげましょう。首の後ろにはリンパが通っているので体温を下げるのに適しています。
清涼感のあるハッカ油
汗を抑える方法として「ハッカ油」も有効です。清涼感のあるハッカ油を水で薄めてスプレーボトルに入れておけば、頭の汗が気になったときに手軽に一吹きできて便利です。100ml程度のスプレーボトルなら、ハッカ油は「2~3滴」がベスト。汗をきちんと拭き取ってから、頭頂部から首筋にかけて1~2プッシュ吹きかけましょう。
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汗を止めるツボを刺激
汗を止める効果のある「ツボ」を刺激するのもオススメです。例えば、屋翳(おくえい)というツボは、顔などの上半身の汗止めに効果的です。乳首から「指2 ~3本分(3~5cm)」くらい上を「1~3分」程度押さえて刺激してあげることで、頭の汗を抑制する効果が期待できます。
ミョウバン水で制汗
頭皮の汗を抑えるアイテムとして「ミョウバン水」も活用してみて下さい。ミョウバン水は、食品添加物のミョウバンを水に溶かせば簡単につくれます。制汗効果にくわえ、殺菌・抗菌効果、アンモニア臭の中和や酸化反応による消臭効果も期待できます。
頭の汗対策として使う場合は、スプレーボトルに入れて頭皮に吹きかけ、地肌になじませるように優しく揉み込んであげると効果が長持ちします。
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頭の汗を減らす対策(体質改善 編)
頭の汗を一時的に抑えるだけでなく、汗をかきやすい体質を改善する対策も試してみて下さい。
漢方を飲む
漢方は効果・効能は緩やかですが、副作用の心配も少なく、長期的に生活に取り入れることができる汗対策です。例えば、緊張を緩和して気分を安定させる作用のある「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」や、ホルモンバランスへの影響を緩和する作用のある「加味逍遥散(かみしょうようさん」などは頭の汗の軽減に役立ちます。
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自律神経を整える(リラックス法)
乱れた自律神経を整えるためには、優位になりすぎた交感神経を沈める必要があります。副交感神経を優位にすることで、心身をリラックス状態へと導いて、崩れたバランスを調整してあげましょう。
簡単な方法としては、ゆっくりとした深い腹式呼吸やラベンダーやイランイランなどのアロマの活用、ぬるめの湯船にゆったりと浸かるなどのリラックス法がオススメです。また、これらの方法は幸せホルモンである「セロトニン」の分泌を増やして、前向きな心や幸福感を与えてくれます。
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健康的な食生活
バランスのとれた健康的な食生活を意識して、肉類などの脂っこい食事はほどほどにしましょう。ビタミンや食物繊維、ポリフェノールが含まれた緑黄色野菜や海藻類、豆類、きのこ類などを偏りなく摂取することが大切です。とくに、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをするとされており、頭の汗を抑えるだけでなく、生活習慣病の予防や美肌・若返り効果も期待できます。
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運動や入浴で汗をかく
適度な運動を習慣化したり手足温浴などの入浴で汗をしっかりかく工夫をしましょう。汗をかく習慣づけをすることで衰えてしまった汗腺が蘇り、偏りのない発汗が出来るようなって頭の汗を軽減できます。さらに、発汗後も臭いにくい「サラサラな良い汗」をかけるようになります。
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病院での治療も考えよう
汗がしたたるほどの異常な発汗に悩まされている場合は、一度病院で診てもらうこともオススメします。精神性多汗症(頭部多汗症)の場合は、生活習慣の見直しなどで自律神経を整えることにくわえ、過去に起きた汗に関するトラウマなどで汗を気にしすぎてしまうメンタルを心療内科などでケアしていくことも大切です。
その他の病気に関しても、多汗と病気の関連性を自己判断することは難しい面がありますので、専門医に相談して診断・治療してもらうことも考えてみて下さい。
頭皮の皮脂と汗のバランスに注意!
頭の汗だけでなく、頭の皮脂にも気をつけましょう。皮脂は汗と混ざることで地肌を保護するバリアを形成しますが、どちらかが過剰になってバランスが崩れてしまうと、乾燥や臭いなどの頭皮トラブルにつながります。
地肌に優しいシャンプー選びや皮脂汚れをしっかり落とすシャンプー法、生活習慣による皮脂抑制などにも意識を向けて、汗と皮脂のバランスがとれた正常な頭皮環境を保てるようにして下さい。
頭皮の皮脂ケアについての詳細は、「頭皮がべたついて臭い!皮脂を抑える7ステップ対策法」をご覧ください。
まとめ:頭の汗 原因と対策
頭の汗が多いと悩んでいる人は、即効性のある一時的な対策と長期的な汗っかき体質の改善の両方に取り組んでみて下さい。
ひとえに頭の汗といっても、汗の多さや汗の原因は人それぞれです。しかし、汗を止める秘訣や健康的な食生活、心身に負担をかけすぎない生活習慣などは誰もが取り入れることができる共通した対策です。一度に全てをやる必要はありませんので、ひとつずつコツコツと改善していきましょう。