鼻で息をしたときに「あれ臭い!?」と思ったことはありませんか?
もしかすると、それは自分の体臭や周りの臭いではなく、あなたの「鼻の中」から臭っているのかもしれません。ずっと嫌な臭いを嗅ぎながら生活するなんて気分も憂鬱になって最悪ですよね。
そこで今回は、鼻の中が臭くなる原因とその対策についてご紹介します。
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鼻の中が臭くなる原因
皮脂やよごれの臭い
鼻の中で分泌された「皮脂」や外気中から入ってきた「汚れ」などが、酸化されたり細菌に分解されたりすることで鼻の中が臭くなります。
鼻毛や毛穴
皮脂が分泌される「皮脂腺」は毛穴の出口付近に存在しており、体毛が濃い場所は毛穴が多くなるので比例して皮脂腺も多くなって皮脂量が増します。
とくに鼻の中は、個人差はあるものの比較的カラダの中でも毛量が多い部分なので、皮脂が溜まりやすく酸化などによる臭いの原因になります。
生活習慣の乱れ
日常的なストレスや不規則な生活は「ホルモンバランス」を乱します。これにより、皮脂の抑制作用のある「女性ホルモン」や皮脂分泌を増加させる「男性ホルモン」の分泌バランスが悪くなって皮脂が過剰分泌されます。
また、炭水化物や脂質などの摂りすぎによる「偏った食事」も皮脂量の増加につながるため、鼻の中が臭くなる原因になります。
空気中のニオイ成分
タバコや焼き肉、排気ガスなどの強い臭いを吸い込むことで、「ニオイ成分」が鼻毛などに付着して、鼻の中が臭くなることがあります。その他にも、空気中のチリやホコリなどが鼻の中の皮脂と混ざり付着したままの状態でいると、臭いがさらに強くなることも。
鼻の病気
病気による鼻のトラブルでは、鼻の穴の浅い部分だけでなく「鼻の奥」からも臭いがし始めます。
蓄膿症
蓄膿症は、風邪やアレルギー、花粉症などが原因となり、鼻の奥や頬などの空洞に「膿」が溜まる病気です。鼻づまりだけでなく、頭痛や顔・鼻周りの痛みなどの症状が現れ、場合によっては、鼻の奥から独特な嫌な臭いを発するようになります。
蓄膿症とはいかないまでも、前段階の「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」という病気でも、鼻の中に臭いを感じるようになったり、蓄膿症を放置して「中耳炎」を発症してしまい耳の臭いが強くなったりします。
また、鼻水も多く出るため「鼻をかむ」頻度が増えてしまい、鼻周辺が乾燥することで皮脂分泌が進み「皮脂による鼻の臭い」がでてくる場合も考えられます。
蓄膿症は鼻の中の臭いだけでなく口臭の原因になっていることも。詳しくは「蓄膿症は口臭の原因に!?臭いを改善する3つの対策法」をご覧ください。
臭鼻症
臭鼻症は、鼻の中の粘膜が乾燥・萎縮することで、硬いかさぶたの様な「痂皮(かひ)」が溜まってしまう病気で、鼻の中で腐敗することにより「肉の腐ったような悪臭」がすると言われています。呼吸に嫌な臭いが混ざることで鼻息が臭くなるため、周りから指摘されてはじめて気づくというケースもあるようです。
鼻の中の臭い対策
鼻の中が臭うなと思った時は、以下の3つの「セルフケア」がオススメです。
1. 鼻うがい
鼻うがいは、普通のうがいとは違い直接鼻の中に水を入れるので抵抗感のある人も多いはず。しかし、体液と浸透圧が近い「生理食塩水」や「専用洗浄液」を使えば、ツーンとする痛みやしみる感じもなくスムーズに行えます。
鼻うがいは、鼻づまりや風邪、鼻炎・蓄膿症など、様々な症状を緩和・改善してくれ、鼻の中を清潔にして粘膜機能の回復にも役立ちます。
正しい鼻うがいのやり方
鼻うがいには「鼻から吸って口から出す」やり方がありますが、鼻の奥に水が入り込んで「中耳炎」になる恐れがあるため、「鼻から吸って、そのまま鼻から出す」方法がオススメです。
- 清潔なコップなどにぬるま湯(25~30℃程度)を「200cc」入れる
- 水に塩「1.8g」をいれてよく混ぜる
- 片方の鼻を指で抑えて閉じる
- 反対の鼻から食塩水を吸い込む
- ツバを飲み込まないようにして息を止める
- 吸い込んだ鼻から食塩水を洗面所などに捨てる
※頻度は「1日1回」くらいで、あまりやりすぎない様に注意して下さい。
※洗面器などを使う場合は、水の量に応じて「塩の濃度が0.9%」程度になるように調整して下さい。
※顔は「下」にむけたままで行なって下さい。
※鼻うがい直後に強く鼻をかんだり、水道水などを直接流し込むと「粘膜を傷める」恐れがあるのでやめましょう。
このやり方を片鼻「3~5回」くらい行うことで、鼻の中がキレイになります。洗浄後は「かるく」鼻をかむだけでも、鼻水や膿などが取れやすくなっているはずです。
食塩水をつくるのが不安な方は…
生理食塩水をつくるのが不安・面倒という方は、市販の「専用の洗浄液」がオススメです。
2. マスクで外気を遮る
空気中に浮遊するホコリなどを直接鼻に吸い込まない工夫も大切です。
常にとはいきませんが、ホコリが舞いやすい掃除のときや交通量の多い場所、人の混みあった電車内や街中などでは、意識的に「マスク」を着用することで鼻の中の臭いを軽減できます。当然、マスクは風邪や鼻の中の乾燥も予防してくれるので、その他の臭い原因の予防にも役立ちます。
また、マスクの表側に「アロマスプレー」を軽く一吹きするのも効果的です。嫌な臭いを軽減できることはもちろん、自分好みの香りで気分もリフレッシュできます。
3. 過剰な皮脂を抑える生活習慣
鼻の中の皮脂を減らすためには、過剰な皮脂分泌を促してしまう「悪い生活習慣」を改めることが大切です。
バランスのよい食事
揚げ物や肉類などの脂っこい食事や暴飲暴食は、皮脂の分泌を増やす原因になるので、できるだけ控えるように心がけて下さい。毎日の食事は野菜を中心に、ビタミンやミネラルなどの栄養素がバランスよく摂れるようにしましょう。
とくに、ビタミンCやビタミンB群には皮脂を抑制する効果があり、食物繊維には腸内の油分を体外に排出する働きがあるのでオススメです。
体臭対策になる栄養素についての詳細は、「すっきり体臭改善!臭いを防ぐ食品&栄養素」をご覧ください。
ストレスの解消
ストレスを受け続けると、ホルモンバランスが乱れて皮脂が増えます。また、血行不良や内臓機能の低下、多汗症など数多くの臭いトラブルを引き起こす原因にもなります。
そこで、ストレス解消のために「心身をリラックスさせる方法」を試してみて下さい。例えば、酸素を多くとりこめる呼吸法や10~15分くらいの半身浴、精神安定や睡眠に効果のあるアロマの活用など、忙しい人でも気軽に生活に取り入れることができる方法が数多くあります。
ストレス解消法についての詳細は、「副交感神経を優位に!リラックスする11の方法」をご覧ください。
習慣的な運動
運動不足は、代謝低下や便秘、ホルモンバランスの乱れなど様々な弊害を生み皮脂分泌を増加させます。そのため、適度な運動を「習慣化」することも大切な対策となります。
とくに、有酸素運動はストレスの発散やホルモンバランスの正常化にくわえ、皮脂の材料となる中性脂肪を減らす効果があります。また、腸が刺激されて働きが活発になるので便秘解消にも役立ちます。
なかなか運動が続かないという人は、室内で手軽に行なえる運動から始めてみてはいかがでしょうか? 詳しくは、「自宅で有酸素運動!家でできる室内トレーニングのすすめ」をご覧ください。
専門医に相談することも考えよう
ただの風邪や鼻づまりと思い放置してしまうと、重大な鼻の病気になる恐れもあります。
蓄膿症や副鼻腔炎 、臭鼻症などの病気は「自覚症状」はあるものの、「自己診断」が難しい面があるため、鼻の中の臭いに限らず、頭や鼻の奥などが痛む等の症状があるようなら、早急に専門医に相談してみて下さい。
口臭との関係性にも注意
鼻の中が臭う原因は、鼻に限ったことばかりではありません。鼻から臭い息が出てくる場合、口臭が悪い影響を及ぼしている可能性があります。
虫歯や歯周病による「膿」の臭い
虫歯や歯周病により歯の神経が腐ってしまうと、歯の根元辺りに膿が溜まります。この膿が口腔内に溢れ出すことで強烈な口臭が発生し、鼻へと抜けることで鼻の中が臭いと感じる場合があります。膿による口臭では「強い腐敗臭」を発するのが特徴です。
虫歯が原因となる口臭についての詳細は、「虫歯による口臭!お口の臭いを抑える改善策」をご覧ください。
膿栓(臭い玉)
膿栓(のうせん)は、喉の奥の扁桃腺のくぼみにできる薄黄色や乳白色の小さな玉のことです。臭い玉とも呼ばれます。咳やくしゃみをした拍子に、口から突然飛び出してきた経験がある人もいるかもしれません。
この膿栓は、細菌の死骸や食べかすなどが集まってできたものです。基本的に、膿栓は誰にでもできるモノなのでとくに心配する必要はありませんが、玉が潰れると「ドブのような臭い」や「卵の腐ったような臭い」と表現されるほどのかなりの悪臭を発します。
そのため、膿栓が沢山できてしまうような口内環境の人は、口臭だけでなく、鼻の中が臭く感じられる可能性があります。
膿栓(臭い玉)についての詳細は、「口臭は膿栓・臭い玉が原因?膿栓とは一体なんだろう?」をご覧ください。
舌苔(ぜったい)
舌の表面を白く苔状に覆っているものを「舌苔(ぜったい)」と呼びます。本来、舌苔は舌を保護する役割をもっていますが、唾液量の減少や舌筋の衰え、ストレスなどが原因となり、過剰に発生して厚くなることがあります。
この増えすぎた舌苔を細菌がエサとして分解することで、硫黄臭などの悪臭を発生させ、口臭と同時に鼻の息を臭くする場合が考えられます。
舌苔についての詳細は、「舌が白い人は要注意!「舌苔」ができる原因と口臭トラブル」をご覧ください。
内臓からくる臭い
口臭の原因は口内環境だけでなく、内臓の健康とも深く関係しています。ストレスや病気などで胃腸が衰えると、消化不良や便秘を引き起こし息が臭くなります。さらに、肝機能や腎機能の低下でも、アンモニア臭などの悪臭が肺から呼気に混ざって口臭をきつくします。
このような臭いは、直に胃や肺から空気と一緒に上がってくるので、鼻の中が臭いと勘違いしやすい可能性があります。
内臓が原因となる臭いは、口臭だけでなく体臭の原因にもなるので要注意です。詳しくは、「体臭とストレスの関係!弱った内臓からくる臭いって?」をご覧ください。
鼻の中の臭い まとめ
鼻の中はとてもデリケートな部分です。鼻の中の臭いが気になるからといって間違ったケア方法を続けていると、皮脂が増えたり粘膜などが傷ついたりして、さらに臭いや病気が悪化するケースもあるので注意しましょう。
鼻の中の正しいケアや皮脂を増やさない生活スタイルを心がけながら、日々の予防に取り組んでみてくださいね。