生理前になって「あれ臭い!?」と、自分の体臭やオリモノ、デリケートゾーンが気になったことはありませんか?
それはきっと、女性ホルモンのバランスが悪くなったりオリモノの量が増えたりすることで、不快な臭いが発生しやすい体になっていることが原因です。
今回は、生理前に臭いがきつくなる原因や体臭を抑えるための対策についてご紹介します。
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生理前に臭いがきつくなる原因
生理前になると、わきの下や頭皮、デリケートゾーンなどの臭いがきつく感じられることがあります。これは、生理周期によって女性ホルモンやオリモノなどに変化が起きることが原因です。
- 女性ホルモンの分泌量の変化
- オリモノの量や臭いの変化
- すそわきがの臭い
- 嗅覚が敏感になる
とくに女性ホルモンは、その名の通り女性に深く関わっているホルモンなので、微妙な変化であっても女性の体臭や体調に大きな影響を与えてしまいます。
女性ホルモンで体臭が臭くなる
生理前に臭いがきつくなる原因には、女性ホルモンの「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が深く関わっています。排卵を境に、生理前の「黄体期」にプロゲステロンが盛んに分泌されたり、エストロゲンの分泌が減少したりすることで、ホルモンバランスが悪くなって女性の体臭を臭くします。
汗の量が増える
プロゲステロンは、基礎体温を高く保って妊娠しやすい体内環境を整える働きがあるので、生理前には普段よりも体温が上がり「汗をかきやすい体質」になります。また、女性ホルモンは自律神経と密接に関わっているので、ホルモンバランスが崩れてしまうと「自律神経」の働きも乱れてしまい、体温や発汗のコントロールが上手く機能しなくなることも。
このような汗の増加は、高温多湿な環境をつくってお肌や衣類に雑菌を増やすことに繋がるので、体臭が臭いやすくなる確率を高めてしまう原因になります。
皮脂分泌が増える
生理前には、顔がオイリー肌になったり胸の辺りがベタベタしたりする…という経験がある女性も多いはず。これは、プロゲステロンの増加によって「皮脂分泌が過剰に増える」ことや、エストロゲンの低下によって「皮脂分泌が抑制できない」ことが原因です。
とくに、「頭皮・Tゾーン・耳の後ろ・わき・背中・胸・陰部」といった皮脂腺が発達した場所は、どうしても皮脂が多くなりがちでベタツキ感も強くなります。
このように生理前は、普段よりも多くの皮脂が分泌されるために、皮脂の酸化により加齢臭などの体臭が発生するだけでなく、ニキビや肌荒れなどの肌トラブルの原因になります。
便秘で臭い物質が溜まる
生理前になると、便秘に悩まされる女性も少なくないと思いますが、これは盛んに分泌されるプロゲステロンの影響によるものです。
プロゲステロンには、妊娠に備えて体内に水分を溜め込もうとする働きがあるため、腸内の水分までもが奪われて便が固くなります。さらに、子宮の収縮を抑えると同時に大腸の働きまで弱めてしまうので、便がスムーズに排泄されずに便秘がますます悪化することに。
便秘が慢性化すると、腸内の臭い物質が排出されずに蓄積されてしまうので、最終的には汗や呼気に臭いが混ざって体臭や口臭をきつくする原因になります。また、余分な油分も溜め込みやすくなるので、皮脂の分泌を増やすことにも繋がります。
消化不良で腐敗臭が発生する
生理前の症状として、胃の違和感や不調を感じる人がいます。これは、排卵期や黄体期に女性ホルモンの分泌量が大幅に変化することで、自律神経のバランスが乱れることが原因です。とくに、プロゲステロンの分泌が多いと、自律神経のひとつである「交感神経」が優位になるので、胃腸の働きが悪くなって消化不良を引き起こすことも。
消化不良になると、胃の中で食べ物などの内容物が滞留しつづけるために、腐敗・発酵して悪臭ガスが発生します。このガスが血液に乗って全身に行き渡ることで、汗や呼気と一緒に排出されて体臭や口臭の臭いをきつくします。
オリモノが蒸れて臭くなる
生理前に体臭やデリケートゾーンの臭いがきつくなる原因として、「オリモノ」が関係していることがあります。本来、オリモノはさほど臭いが強いものではありませんが、「排卵日前後」の時期は分泌量が多く陰部周辺が蒸れやすくなるので、雑菌が繁殖しやすい環境になって、下半身周辺の臭いが強く感じられる場合があります。
また、プロゲステロンの分泌が高まる黄体期にはオリモノの量は減っていきますが、生理前(直前)になると、急激に量が増えてオリモノ自体の臭いも強くなるので、汗や皮脂の過剰分泌と重なってしまうと、周辺が不衛生になって普段以上に強い臭いを発することがあります。
酸っぱい臭いがする時は?
オリモノの臭いが気になると、些細な臭いですら悩んでしまうかもしれませんが、もしも「酸っぱい臭い」がしているのなら、あまり心配する必要はありません。健康的なオリモノの臭いは、ほぼ無臭かやや酸味を感じる臭いと言われています。
酸っぱい臭いがする理由は、膣内で善玉菌が産生する「乳酸」によるもので、これにより膣内が酸性に保たれて雑菌の繁殖しにくい環境を作ってくれています。
あまりにも臭いに神経質になってデリケートゾーンを洗い過ぎると、善玉菌が減って膣内環境が悪化する恐れがあるので気をつけてください。
強烈な悪臭は、病気の可能性も
生理前にオリモノの量が多く、臭いが「生臭い臭い・魚が腐ったような臭い・腐敗臭」などに似ている場合は、雑菌の繁殖で臭いが強くなっているだけでなく、性感染症の可能性があります。
例えば、オリモノの臭いが強く、色が「黄色」や「黄緑」の膿のような状態なら、トリコモナス膣炎、細菌性膣炎、子宮内膜炎、淋菌感染症、クラミジア感染症などの恐れがあります。また、オリモノの量が異常に多くピンク色の場合は、不正出血の疑いがあり子宮体ガンや子宮頸がんの可能性が考えられます。
オリモノの臭いや量、色などは、個人差によって差があるものなので、過剰に気にしすぎて神経質になる必要はありません。しかし、普段のオリモノとは明らかに違う特徴が見られる場合は、速やかに婦人科に相談してみましょう。
すそわきがの臭いの可能性も
生理前にデリケートゾーンの臭いが気になる場合は、オリモノの臭いだけでなく「すそわきが」の可能性も疑ってみてください。陰部は、ワキガの原因となるアポクリン汗腺が多く存在している場所なので、ワキガ体質の人は、わきの下と同様に臭いが発生しやすくなります。
軽度のすそわきがの人は、普段は臭いが全くしなくても、生理前の汗をかきやすい時期になると、アポクリン汗腺からの発汗が増えて臭いが強く感じられることがあります。もしも、下着に黄色い汗ジミがつく人や耳垢が湿っているような人は、ワキガ体質の可能性が高いので、わきの臭いだけでなく陰部の臭いにも注意が必要です。
ワキガ体質を確認したい場合は、「自覚してる?ワキガのチェック5項目」をご覧ください。
生理前は嗅覚が敏感になることも
生理前や生理中は、臭いに敏感になって普段よりも自分の体臭やオリモノの臭いが気になることがあります。これは、血中の女性ホルモン濃度の増減が嗅覚を過敏にすることが理由と考えられていて、どんな女性にも起こり得ることです。
症状がひどい場合は、自分の臭いだけでなく、人混みや電車の中から香水・化粧品に至るまで様々なニオイが過剰に気になって、吐き気まで催すようになります。このような症状を抑えるには、毎月のホルモンバランスの増減を安定した推移に整えてあげる必要があります。
自分の臭いを気にしすぎると、「自臭症」と呼ばれる自分が異常に臭く感じる病気になる可能性があるので、あまり体臭などを気にしすぎないことも大切です。
生理前の臭いの対策法
通気性の良い衣類を着る
手軽に生理前の臭いを対策したいなら、「通気性の良い衣類」を着ることで高温多湿なムレムレお肌を予防するのが効果的です。
天然素材の下着を選ぶ
ナイロンやポリエステルなどの化学繊維の素材は、通気性が悪く汗で蒸れやすいばかりか、弾力性がないので摩擦によるお肌への刺激が強くなり、角質が傷ついたり肌荒れしたりする原因になります。
とくに、サイズが合わないショーツやブラジャー、矯正下着などは、素肌を強く締め付けて高温多湿な環境や摩擦を作ってしまうので、生理前に限らず生理中や生理終わりも意識的に対策をとり続けることが大切です。
肌に触れる下着やインナーは、「綿・シルク」などの通気性や吸水性に優れた肌にも優しい天然素材がおすすめ。ナプキンも「天然コットン100%」のものが理想的です。
下半身は重ね着しない
女性のビジネスファッションといえば、「下着+ストッキング+スカートやパンツ」といったような「重ね着スタイル」になりがちです。そのため、生理前にオリモノや汗で臭いやすくなっている下半身を衣類で何重にも覆ってしまうと、蒸れがひどくなって臭いがきつくなるのは仕方のないことです。
とくに、タイツやストッキングなどの素肌をぴったり覆うようなアイテムや、スキニージーンズのようなフィット感が強く生地が厚いボトムスなどは、陰部周辺に湿気がたくさん蓄積されてしまうので控えたほうが安心です。
生理前にどうしてもストッキングを履く場合は、「ショートストッキング・ガーターストッキング・サスペンダーストッキング」などを活用して、下半身全体をすべて覆ってしまわないことが大切です。
お肌の清潔さをキープする
生理前は、汗や雑菌による臭いだけでなくオリモノ自体の臭いも強くなるので、こまめなケアでデリケートゾーンの清潔さをキープすることが重要です。
- ウォシュレットのビデ
- ナプキンやオリモノシートの交換
- ショーツの履き替え
などのケアで、雑菌が繁殖する原因となる湿気や汚れをできるだけ残さないように心がけましょう。また、たとえナプキンやオリモノシートに汚れがなくても、長時間使っていると汗や皮脂で不衛生になっているので、お昼休憩などに取り替えるのが理想的です。
デリケートゾーンを清潔に保つには、お尻や太ももの汗を抑えることも大切です。詳しくは「お尻や太ももの汗対策!臭いや汗染みを改善する10のこと」をご覧ください。
わき汗や頭皮の臭いケアも忘れずに
生理前は、女性ホルモンの影響で汗や皮脂が普段よりも増えるので、デリケートゾーンだけでなく、わきの下や背中、頭皮などの臭いケアも忘れずに行いましょう。
毎日きちんとお風呂に入ることはもちろんですが、制汗剤で汗を抑えたり発汗時にこまめに汗を拭き取ったりすることで、雑菌が繁殖しにくい清潔なお肌を保つことが大切です。また、体臭だけでなく「衣類の臭い」を予防するためにも、通気性や吸湿性のよいメッシュ生地のインナーや脇汗パットで、ブラウスなどの衣類に汗が直接付着しないように対策しましょう。
豆乳でホルモンバランスを整える
豆乳は、生理前に生じる女性ホルモンの乱れを、バランス良く整えるのに効果的な飲み物です。その理由は、以下のような大豆に含まれる栄養素が、女性ホルモンに良い影響を与えるためです。
- イソフラボン
- 良質なタンパク質
- ビタミンやミネラル
大豆に含まれるイソフラボンには、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあることが分かっています。そのため、エストロゲンの分泌が少ない生理前に豆乳を飲むことで、ホルモンバランスが整えられて体臭対策に繋がる他、PMS(生理前症候群)の改善にも役立ちます。
また、豆乳は、女性ホルモンの元となる良質なタンパク質を効率的に吸収できるメリットがあり、女性ホルモンの働きをサポートするビタミンやミネラルも同時に摂取できます。
イソフラボンは「70~75mg/日」が摂取量の上限なので、豆乳では「150~200ml/日」くらいが目安です。ただし、日本人は豆腐や味噌などからイソフラボンを摂取しやすい食文化なので、一日の摂取上限には注意してください。
ジャスミン茶で体臭改善
ジャスミン茶には、女性ホルモンを整える作用や精神を安定させるリラックス効果があるので、体臭はもちろん生理前のイライラや憂鬱な気分を改善する飲み物としても効果的です。また、抗酸化作用をもつビタミンやポリフェノールが含まれているので、過剰分泌した皮脂を酸化させて体臭をきつくする活性酸素の抑制にも役立ちます。
体臭対策のためのジャスミ茶の活用法については、「ジャスミン茶で体臭予防!効果や効能がアップする上手な飲み方」をご覧ください。
心身のストレスを解消する
プロゲステロンが多く分泌される生理前の時期は、神経伝達物質であるセロトニン(幸せホルモン)が減少するために、精神が不安定になりストレスが溜まりがちです。また、セロトニンの減少により、質の高い睡眠を生み出すメラトニンの分泌も低下するので、心身の疲れが溜まりやすくなるばかりか、自律神経が乱れて様々な体臭や体調不良を引き起こします。
生理前の臭いを悪化させないためにも、効果的に心身をリラックスさせる方法を取り入れて、ストレスをきちんと解消していきましょう。
- 半身浴
- 軽めの運動
- アロマテラピー
- 趣味に没頭する
- 素直な感情表現(泣く・笑う)
以上の方法は、セロトニンの分泌を高め、副交感神経の働きも良くしてくれるので、リラックス効果を得たいときにおすすめです。
詳しいリラックス方法については、「副交感神経を優位に!リラックスする11の方法」をご覧ください。
まとめ:生理前の臭い対策
生理前の臭い対策では、オリモノやすそわきがによるデリケートゾーンの臭いケアはもちろん、汗や皮脂によるワキや頭皮などで発生する体臭にも気をつけながら、全体的に幅広くケアすることが大切です。
また、生理前の臭いは、女性ホルモンがひとつの原因なので、女性が経験する「妊娠」や「更年期」も同様に、ホルモンバランスが変化して汗や皮脂による体臭がきつくなるケースが見られます。
さらに、ストレスや疲れ、タバコや飲酒、乱れた食生活、偏ったダイエットなどでも、女性ホルモンのバランスは崩れてしまうので、日頃の生活スタイルが乱れている人は、生理前に関わらず、ひとつずつ自分の生活態度を見直していきましょう。