ダイエットや筋トレの際にタンパク質を手軽に補える「プロテイン」。しかし、飲み過ぎると体臭や口臭がきつくなることをご存知ですか?
そんな時におすすめなのが大豆由来の「ソイプロテイン」です。ソイプロテインは、大豆に含まれるイソフラボンなどの栄養を一緒に摂取できるので、女性にプラスな効果も得ることができます。
そこで今回は、ソイプロテインの体臭予防の効果や他のプロテインの問題点をご紹介します。
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ソイプロテインとは?体臭に良いの?
ソイプロテインとは、大豆を主原料とする「植物性プロテイン」のことです。一般的には、ホエイやカゼイン、エッグなどの動物性プロテインがよく知られていますが、良質なタンパク質を摂取できる点では両者とも大きな違いはありません。
しかし、ソイプロテインの場合は、有効成分やカロリー、吸収時間などの関係から、健康や美容に理想的なプロテインとされています。これは、ソイプロテインに含まれる植物性タンパク質やイソフラボンなどの大豆由来の栄養効果が、筋力アップだけでなく、ダイエットや美肌づくり、体質改善などに役立つことが理由です。
女性の健康や美容に関する悩みは、体臭や口臭にも密接に関係していますので、ソイプロテインを活用することは、見た目の美しさや健やかな体づくりだけでなく、臭いにくい体質への改善にも繋がります。
動物性プロテインは、体臭や口臭の原因になることも…
動物性プロテインである「ホエイプロテイン・カゼインプロテイン」などは、牛乳由来のため動物性タンパク質などが多く含まれていて、体臭や口臭の原因になる場合があります。
腸内環境を悪化させる
プロテインに含まれる動物性タンパク質は、「悪玉菌」の大好物です。そのため、動物性タンパク質の多いプロテインを飲み過ぎると、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化する可能性があります。
悪玉菌が優位となる環境では、腸内でアンモニアや硫化水素、インドール、スカトールなどの悪臭物質がたくさん発生してしまうので、最後は汗や呼気に混ざって排出されることで、強い臭いを伴う体臭や口臭として現れます。
アポクリン汗腺が活発になる
汗を分泌する汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」が存在します。エクリン汗腺は、主成分がほぼ水のサラサラとした臭いにくい汗を分泌しますが、一方のアポクリン汗腺は、タンパク質や脂質、アンモニアなどの不純物が多く、「ワキガ」の原因にもなるベタベタした汗を分泌します。
動物性タンパク質は、このアポクリン汗腺を活発化させて分泌を増加させると考えられているので、動物性プロテインを多量に摂取すると、ワキガ臭が強まる可能性があります。
肝臓や腎臓への負担
タンパク質は肝臓で代謝されるので、タンパク質を過剰に摂取すると、肝臓への負担が増して肝機能が低下する恐れがあります。さらに、肝臓の働きが弱まることで、腎臓への負担も増してしまうので、腎機能までもが低下する悪循環に陥ることも。
このような肝臓や腎臓の機能低下は、アンモニアなどの悪臭成分を体内に蓄積させてしまうので、最終的に汗や呼気と一緒に体外へ排出され体臭や口臭をきつくします。
また、様々な加工食品に含まれる食品添加物も、肝臓の解毒作業を増やす原因になるので、プロテインに使われる添加物にも注意が必要です。
消化不良や下痢になる
牛乳を原料とするホエイプロテインには、「乳糖(ラクトース)」が含まれています。日本人は、この乳糖を分解する働きが弱い「乳糖不耐症」の人が多く、摂取しすぎると消化不良や下痢の症状が現れることがあります。
消化不良や下痢になると、栄養が十分に吸収できずに栄養不足に陥ることで、代謝機能が衰える原因になります。その結果として、血流や内臓機能が悪くなって、体臭や口臭に繋がる可能性が考えられます。
乳糖や動物性タンパク質は、「亜鉛」の吸収を高める作用があるので、亜鉛不足による体臭が発生している人には有効な成分とも言えます。
ソイプロテインの体臭に関する効果
このようにソイプロテインには、動物性プロテインがもつ体臭原因の多くを回避できるメリットがあります。さらに、大豆由来の栄養成分を摂取できるので、体臭の予防や改善にも役立ちます。
では、具体的にソイプロテインにどのような体臭予防の効果があるのかを見ていきましょう。
中性脂肪やコレステロールを減らす
ソイプロテインの原材料である大豆には、「レシチン」という成分が含まれています。レシチンには、乳化作用(水と油をなじませる作用)があり、血中の中性脂肪を溶解してコレステロールを排泄してくれます。
これにより、皮脂の元となる中性脂肪を減らすことができ、過剰な皮脂分泌を抑制できます。その結果、頭皮の臭いや加齢臭などの「皮脂酸化」が引き起こす体臭の予防に役立ちます。
女性ホルモンのバランスを整える
ソイプロテインには、ポリフェノールの一種である「大豆イソフラボン」が多く含まれています。イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする効果があり、乱れたホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
女性ホルモンが乱れると、汗や皮脂の増加、代謝機能の低下、血行不良、自律神経の乱れなど、体臭や口臭を悪化させる様々な原因を増やすことに繋がります。
とくに、もう一つの女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌が高まる「生理前・更年期・妊娠期」などは、皮脂分泌や便秘、肌荒れなどが起きやすくなるので、イソフラボンを意識的に摂取することが大切です。
肝機能を高める
ソイプロテインは、中性脂肪を減らす働きをもつレシチンや、代謝に不可欠な酵素をつくる良質なタンパク質を含んでいるので、肝機能の低下を引き起こす「脂肪肝」の予防に役立ちます。
また、レシチンの乳化作用により、水に溶けにくい性質をもつビタミンEなどの脂溶性ビタミンが吸収されやすくなることも、肝機能の向上にプラスに働いて、アンモニア臭などの体臭や口臭の予防に繋がります。
肝機能の改善方法についての詳細は、「肝臓を回復させる食事方法や栄養は?肝機能の改善メソッド」をご覧ください。
健康的にダイエットできる
ソイプロテインは、腹持ちが良く満腹感が続きやすいので食べ過ぎ防止にもなり、動物性プロテインよりも低カロリーなのでダイエットに理想的です。また、グルタミンやアルギニンの含有量が多いので、筋肉の分解を抑えつつ贅肉を落としたいときにピッタリです。
過度の食事制限による無理なダイエットは、リバウンドや体調の崩れ、ストレスなどのデメリットが大きいだけでなく、「ケトン臭」などのダイエット臭を引き起こす原因にもなるので、ソイプロテインを上手に活用しながら、体に負担の少ない痩せ方をしてください。
まとめ:ソイプロテインで体臭予防
ソイプロテインは、健康・美容志向の強いプロテインなので、大きな筋肉をつけたい人にはあまり向いていない面があるのも事実です。しかし、植物性タンパク質でも十分に筋力のビルドアップや維持が行なえますし、女性にうれしい大豆の効果をたっぷり摂ることができます。
また、大豆という昔から日本人に親しまれていきた食材が原料ですので、大豆アレルギーさえなければ、私たちの食生活にも馴染みやすい種類のタンパク質ではないでしょうか。
プロテインを飲み始めてから、「あれ?なんだか体臭が臭い…」と感じた人はもちろん、脂質やカロリーが気になって「肉や魚、卵などを控えている…」という人も、大豆から作られた「ソイプロテイン」を活用することで、効率よく良質なタンパク質の摂取を目指してください。