お酢は、古くから日本人に親しまれているお馴染みの食品。健康に良いことが知られていて、料理や飲み物に取り入れている人も多いと思います。
そんなお酢には、体の嫌なニオイを消してくれる体臭予防の効果もあります。お酢の飲み方や種類によって違う特徴や効能をきちんと知ることで、効果的にお酢のチカラを取り入れてみましょう。
今回は、お酢の体臭予防の効果や上手な飲み方、種類別の特徴についてご紹介します。
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お酢の体臭予防の効果って?
便秘解消の効果
お酢が腸内に入ると「炭酸ガス」を発生させます。炭酸ガスには腸を刺激する効果があるので、腸のぜん動運動が活発になって便秘解消に繋がります。また、お酢には高い殺菌力があるので、悪玉菌を減らして腸内環境をキレイにする効果も期待できます。
便秘が続くと、腸内に悪玉菌が増えて悪臭ガスが発生します。このガスが全身を巡って、最終的に汗や呼気と共に排出されることで体臭や口臭の原因になります。
血流を良くする効果
お酢に含まれる「酢酸」には、血管を拡張させて血行を促進する効果があります。これは、酢酸が体内に取り込まれることで、血管を拡張させる作用のある「アデノシン」という物質が生成されるためです。
また、お酢の「クエン酸」も腎機能を促進させて血流を良くする働きがあり、「アミノ酸」には赤血球を柔軟にして血流を改善する効果があります。
血行不良になると、乳酸やアンモニアなどが汗に混ざって排出されやすくなります。その結果、「酸っぱい臭い」や「アンモニア臭」のする体臭が現れてきます。
疲労回復の効果
私たちの体が疲労を感じるのは、「グリコーゲン」という物質が運動などで消費され不足することが原因です。酢酸には、このグリコーゲンの生成を促進させる働きがあるので、疲労を感じたときにお酢を摂ることで身体の回復を早めてくれます。
また、クエン酸には、「クエン酸回路(ATPサイクル)」という働きを活性化させる効果があります。このクエン酸回路は、疲労によりダメージを受けた細胞を修復するために必要な「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー源を産生するものなので、クエン酸は疲労回復に重要な成分と考えられています。
疲労が蓄積すると、血行不良や内臓機能の低下、自律神経や水分代謝などが乱れて、さらに疲れやすくなる他、「疲労臭」や「ミドル脂臭」などの体臭を引き起こすことも。
消化不良を予防する効果
消化不良を起こしている時にも、お酢を摂るのが効果的です。お酢に含まれる酢酸などが胃酸の代わりになって、低下した消化力をカバーしてくれます。さらに、胃の中を酸性の状態に高めてくれるので、消化酵素の働きが活発になって、スムーズに消化吸収が行われるようになります。
また、酢の酸っぱさで唾液の分泌が増えることも消化を助けてくれます。唾液に含まれる消化酵素の「アミラーゼ」には、デンプンなどの多糖類を分解する働きがあるので、胃腸の負担が軽減されます。
消化不良になると、胃で食べ物が腐敗することで悪臭ガスが発生して、体臭や口臭の原因になります。また、消化が不十分なために便秘にもなりやすくなります。
ビタミンC・Eの吸収率アップ
お酢は、ビタミンなどの栄養成分と一緒に摂ることで、それらの吸収率をアップさせる効果があります。ビタミンCやビタミンEは、優れた「抗酸化作用」を持っていて、体内で発生する活性酸素を撃退するのに役立ちます。
活性酸素は、内臓機能を弱めたり血行を悪くしたりすることで様々な体臭を引き起こすばかりか、「加齢臭」の原因となる過酸化脂質(酸化した脂質)を作ってしまいます。
肝臓の働きを高める効果
お酢は、血行改善による効果やビタミンの吸収率を高める作用などにより、肝臓機能を回復させて代謝機能を高める働きがあると言われています。
肝臓は、有害物質を無毒化する働きをもつ臓器なので、肝機能が低下してしまうと、カラダの中にアンモニアなどの悪臭物質が残留することに。とくに、お酒を良く飲む人は、刺激臭のする「アセトアルデヒド」という物質も体内に残りやすくなります。
肝機能の低下により体内に残った悪臭物質は、血液に乗って全身を巡ることで最後は汗や呼気と一緒に分泌されて、「アンモニア」や「お酒臭い(青臭い)」体臭を発生させます。
中性脂肪を減らす効果
お酢には、中性脂肪を減らす効果があることも分かっています。これは、お酢に含まれる「アミノ酸」が、脂肪燃焼を促進させる「ホルモン感受性リパーゼ」という酵素の働きを活性化させるためです。
また、クエン酸で「クエン酸回路」が活発に機能することで、効率的に脂肪が利用できるようになるという面もあります。
中性脂肪は、酸化臭や加齢臭などの体臭原因となる「皮脂」の元になる成分。つまり、中性脂肪が多ければ多いほど、皮脂が増えて体が臭いやすくなるということです。
効果的で安全な、お酢の飲み方
お酢の濃度に注意
お酢は、単に酸っぱいだけでなく酸性の強い食品です。お水やジュースなどで薄めるタイプのものから、そのまま飲むタイプものまで飲み方は様々ですが、飲む前にきちんと使用方法をチェックしましょう。
濃度が濃い状態のまま飲んでしまうと、口腔内や食道、胃の粘膜などが荒れたり、酸蝕症と呼ばれる歯の表面が溶けて虫歯のような状態になったりする原因になるので注意してください。
お酢の飲む量は、各商品ごとの摂取目安量を守ってください。記載がない場合は、「1日30ml」を超えないように飲むことが大切です。
空腹時は飲まない
空腹時にお酢を飲むことはできるだけ避けるべきです。お酢は酸性なので、胃の中に食べ物が何も入っていない状態で入れてしまうと、胃に負担をかけて体臭が悪化する原因になることも。とくに、胃酸過多の人やもともと胃が弱い人などは、通常よりも薄めてから試飲するようにしましょう。
牛乳で薄めることで、胃の粘膜を保護しながら飲むことができます。お酢はカルシウムの吸収率を高める効果もあるので一石二鳥です。
酢の物やピクルスなど料理に活用
お酢を摂るときは、空腹時を避けるのが理想的ですので、お酢を活かした料理で、食事中に効率よくお酢の効果を得るのもオススメです。お酢がビタミンやミネラルの吸収率を高めてくれるので、色んな料理と組み合わせることで効果的に栄養がとれて体臭対策に役立ちます。
お酢の料理(キリンレシピノート) http://recipe.kirin.co.jp/feature/065/
飲んだ後は口をすすぐ
基本的に、お酢を飲んだ後は「お水で口をすすぐ」ように心がけましょう。お酢の酸によって酸蝕症になるだけでなく、お口の中が酸性に傾いて口臭や虫歯の原因になることがあります。
通常、唾液が豊富に分泌されている状況では、唾液のもつ「中和作用」によって口内環境は整えられるので心配ありませんが、睡眠中は口呼吸などで口内の唾液量が減ってしまう場合があるので要注意です。
お酢を飲んでそのまま寝る…といったパターンは、長時間に渡って「酸が歯に付着した状態」になるので避けてください。お酢を飲む時は、しばらく口に含むような飲み方は止めましょう。ストローを使うのも手です。
お酢の種類別の効果や特徴
お酢は種類が豊富。それぞれの効果・効能も違うので、自分の気分や好み、用途などに合わせて体臭対策や健康管理に活かしましょう。
黒酢
黒酢は、一般的なお酢に比べて、アミノ酸やミネラルが格段に豊富なのが特徴です。体で合成できない「必須アミノ酸」を9種類中8種類も含んでいる他、非必須アミノ酸も含んでいるので、非常にアミノ酸のバランスに優れています。
はちみつ黒酢
黒酢の強い酸味を、はちみつの甘味でまろやかにしたのが「はちみつ黒酢」。飲むお酢の中でも飲みやすく、手軽に飲みたい人にオススメです。はちみつの主成分であるブドウ糖と黒酢のクエン酸が合わさることで、疲労回復効果がより高まるメリットもあります。
リンゴ酢
リンゴ酢は、リンゴ果汁を発酵させたお酢で、酸味がまろやかでフルーティーな風味が特徴です。リンゴに含まれる食物繊維の一種「アップルペクチン」により、便秘解消や腸内環境を整えるのに適しています。また、高い抗酸化力をもつ「リンゴポリフェノール」も含まれています。
リンゴ酢の体臭予防の効果についての詳細は、「リンゴ酢は体臭に効果あり?上手な飲み方やデメリット」をご覧ください。
梅酢
梅酢は、酢酸発酵をしていないので、一般的なお酢とは違って酢酸は含まれていません。しかし、クエン酸やリンゴ酸、ポリフェノールなどが豊富で、疲労回復や肝機能の向上に効果的です。とくに、梅エキスには血液をサラサラにする成分が含まれているので、血流改善の効果がより高まります。
レモン酢
レモン酢は、お酢と氷砂糖(ハチミツ)、そしてレモンでつくるお酢ドリンクです。レモンに含まれるビタミンCやレモンポリフェノールの優れた抗酸化作用を、吸収率を高めるお酢で効率よく得ることができるのが特徴です。
バルサミコ酢
イタリア料理でお馴染みのバルサミコ酢は、ブドウを原料として作られているので、ポリフェノールの含有量が高い(黒酢の3倍くらい)のが特徴です。とても高い抗酸化力を持っているので、活性酸素が原因となる体臭はもちろん、アンチエイジングなどの美容面でも人気のお酢です。
トマト酢
トマト酢は、トマトの搾り汁を酢酸発酵させて作ったお酢。トマトの有効成分がそのまま含まれているので、抗酸化作用のあるビタミンやリコピンをしっかり摂取できます。また、カリウムやアスパラギン酸が豊富なので、水分代謝の改善やデトックス効果による体臭対策にも役立ちます。
まとめ:お酢の体臭予防の効果
お酢で体臭予防を行なうには、「習慣的」にお酢を飲み続けることが大切です。しかし、香りや風味、取り入れ方などが自分の生活や好みに合わないと、途中で嫌になって長く続けることが出来なくなる場合もあるので、まずは自分に適したお酢を見つけることから始めてみてください。